第4章
1節―変わった世界―
帰還
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にある空間魔法を放ちある程度減速する。
到着すると同時に巻き起こる凄まじい土煙が上がる中で、ソウヤは周りを見渡した。
「――ん?誰か来たようだね」
不意に聞こえる声。
それを意識した瞬間、ソウヤは雪無を背中を向きながら振るう。
まるで楽器を奏でるような、甲高い音が響いた。
「…お前、誰だ」
「君こそ僕の剣撃を受け止めるなんて、何者だい?」
土煙が晴れた中、見えたのは太陽のように輝く純白の翼を持つ男性。
見るものを惹くそのあまりに美しい美貌をした男性は目を細めた。
チリンッと、黄金に輝く1つの腕輪が鳴る。
「俺が聞いているはずだ、お前は誰だ」
ソウヤは静かに告げると、力を込め雪無を振るう。
男性は顔を驚愕に染めると吹き飛ばされた。
「ぐっ…!」
優男風の男性は、空中で体勢を整えると地面を削りながら止まる。
そして、怒りに震えたようにその美貌を醜く汚すとソウヤを睨みつけ…再び驚愕に染めた。
「黒髪に黒目で、羽無しの人間…!お前が…ソウヤ!」
「なんだ、俺のことは知ってるのか」
ソウヤは目を細めると、雪無の刃先を男性に向ける。
「もう一度聞く、お前は誰だ」
「僕、かい…?僕は――」
優男風の男性は嫌らしげに笑うと、純白の翼をはためかせる。
そして、空中へと飛び立つと同時に叫ぶ。
「――君を殺す…”天使”さ!」
常識をあまりに無視した速度。
それはもう音速は軽く超え、光速に至っていた。
だが――
「…はっ?」
――足りない。
天使と名乗る男性は、視界が地面に向いていることに気付く。
意識が、はっきりとしない。
体が動かない。
「熱…い……?」
何故、身体が熱いのか。
何故、身体が重いのか。
何故、意識が遠いのか。
何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故、何故――
「予想以上に、弱かったな」
――何故、死んでいるのか。
最後に、憎きソウヤの声が聞こえ天使は意識を暗転させた。
ソウヤは心臓のある胸から血を出している、天使と名乗った男性を地面に放り投げるとため息をつく。
「間違って殺しちまったな」
これでは情報を聞くことが出来ない…とソウヤは反省する。
雪無に付いた血を振るって飛ばすと鞘に刺す。
周りを見渡すが、人が全く見えないのでいないのだろうか…と考えたところで、ソウヤの耳はとらえた。
瓦礫が動く音に。
ソウヤは急いでそこに向かうと、瓦礫を弾き飛ばす。
その下には頭から血を出した青年が、赤く染まった目でソウヤを見ていた。
青年を瓦礫から引き出すと地面に優しく下ろす。
「ここの住民
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