第4章
1節―変わった世界―
帰還
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き長い時間が流れる。
何分、いや何十分か歩き続けたソウヤの精神は病み始めていた。
物理的行動にでても問題ないのではと思い始めたのである。
―ぶっ壊していいかな。
イライラし始めてきたソウヤは、はぁと溜息をつくと雪無を抜く。
流石に物理的行動に出るわけではないが、ここまで長い廊下などあるはずがない。
つまりたどり着く答えはそう多くないのだ。
廊下の壁を雪無で軽く叩くと、コッコッという音が聞こえる。
その音を聞いたソウヤは大きくため息をつく。
「これ、地下か」
後、幻もかかっている…とソウヤは決断を下す。
地下にこんなものを作り幻もかけるなんて、ソウヤの記憶の中ではアイツらしかいない。
ルリとレーヌだ。
「だが、なんでこんなことを?」
自問自答しようと口で呟いてみるが、何も思いつかない。
次第に脳を働かせることに疲れ、ソウヤは雪無を巨剣化させると同時に振り上げる。
まるで鋼をカチ分けたような凄まじい破壊音が聞こえると、天井が崩れた。
そこから入ってくるのは光。
びっくりするほど綺麗な青空がソウヤを歓迎していた。
「――――――」
久しぶりに見た本物の青空を見て、ソウヤはなんとも言えない感慨に飲まれる。
しかし、すぐに呆けた顔を元に戻すと雪無を鞘に戻し軽く跳んで廊下をぬけ出す。
周りに視線を向ければ果てしない草原が広がっている。
はぁ…とため息をソウヤはつくと、人生で一番大きな伸びをした。
そして疲れたように、吐いた息と共に呟く。
「帰ってきた――」
久しぶりであるこの世界への帰還。
実に2年ぶりなので、ここまで感動してしまうのは仕方ないのだろう。
ソウヤは再度周りを見渡しなにもないことを確認すると、どうしたものかと考える。
まず今の状況すら分かっていないので、理解することが先決だろう。
だが、ここがどこだがまず分かっていない。
―仕方ない、跳ぶか。
ソウヤは結論を出すと、地面に肩膝をつき大きく息を吸う。
そして――
「――ッ!!」
現状の全力で空を跳ぶ。
なお、”現状”なのは本当の全力は今封印しているからだ。
一気に地面が遠くなっていき、周りの景色も良くなっていく。
その中で、ソウヤは1つの街を見つけ――
――絶句する。
まるで、巨大なハンマーに潰されたかのように街の中心にクレーターが広がっていた。
身体を固めたソウヤはアイテムストレージから適当に大きな物を取り出すと、それを足場にして全力ジャンプする。
身体中に負荷がかかり、無意識に力んだ。
ほんの2秒で1km以上離れた場所から到着したソウヤは、雪無を抜いて相棒の中
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