第4章
1節―変わった世界―
1ヶ月前の状況
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な空色をたなびかせ、上空に佇む青年を睨みつけるのは騎士の姿をした女性。
町民たちは、彼女のことをよく知っていた。
「”雷神の申し子”エレン…」
誰かが、そう呟く。
その言葉に反応した青年は、関心したように息をこぼした。
「そうか、お前があのエレンか。噂はよく聞いている」
「なら話は速いだろう?私はお前と違って忙しい身だ。さっさと終わらせてもらおう」
その言葉を聞いた青年はこらえ切れないというふうに笑い出す。
笑う青年を見たエレンは、ピクリと眉を動かした。
「お前が”天使”を倒せるとでも?所詮”鎖”で縛られた下民が」
明らかな嘲笑。
だが、それを向けられたエレンは頬を少し釣り上げただけだ。
それが気に喰わないのか、青年は右手大きく握り締めると呟く。
「”天使の剣”」
握りしめた右手に光が溢れると、次の瞬間には眩しい光で創られた剣が姿を現した。
静かに構え、青年は無言でエレンに近づく。
瞬きをする暇のない速さに、未だ周りの人々は青年の分身を見続けている。
”周りの人々は”。
金属より数段高い音を響かせ、エレンの剣が天使の剣を受け止めた。
”鎖”に縛られた人ならぬ動きに青年は驚いたように顔を歪める。
「残念だったな」
眉一つ動かさずエレンはそう言うと、青年を腕力だけで吹き飛ばした。
「なッ…!?」
―こいつ、”鎖”に縛られた動きをしていないッ…!
青年は離れていく女騎士を睨みつけると、白木蓮にも似た純白の翼をはためかせるとブレーキをかける。
こいつは油断してはならない、青年は断言すると天使の剣を消した。
―こいつには、全力でいったほうが良い!
一撃剣を交わらせただけで相手の強さを判断できるのは、流石天使の1柱ということだろう。
両手をエレンに向かって大きく伸ばすと、青年は先程とは全く違う雰囲気で叫んだ。
「”光纏う天使の柱”…!!」
放たれるのは巨大な光の柱。
一瞬にして門を消し飛ばし突き進む力の暴力に、エレンは大きく上段に構える。
「”偽・全て飲み込む雷神の一撃”!!」
エレンがその剣を振り下ろすと同時に、鼓膜が潰れるのではないかという轟音が鳴り響き雷刃が突き進む。
そして、天使の柱と雷刃の一撃はぶつかり合い――
「――――――ッ!」
――言葉を出す暇もなく、青年の身体は消し飛んだ。
そして残ったのは、呆然と力が抜けたままほけている町民たちと、荒い息で剣を支えにし立ち続けている騎士だった。
しばらくして、エレン
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