ガンダムW
1716話
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「……は? 嘘だろ? マジで?」
サリィからの報告を聞いたデュオが驚きの声を上げているが、俺は寧ろ納得していた。
「財団派の残党……ま、考えられる可能性としてはそんなところだったんだろうな」
そう、昨日の夜に俺達の部屋に突入してきたテロリストの正体、それは財団派の残党だった訳だ。
昨日連合軍にあのテロリスト達を引き渡し、その後の尋問で判明した事実。
「そうね。順当なところだと思うわ」
綾子も俺と同様に納得の表情を浮かべている。
財団派にとって、シャドウミラーというのはまさに憎むべき象徴だ。
財団派と連合軍の戦いの中で、決定的な致命傷を向こうに与えたのは俺達だ。
勿論連合軍もMDを使っていた以上、総合的な戦力という面で見れば連合軍の方が上だっただろう。
あのまま俺達が戦いに参加していなくても、いずれは連合軍が勝利した筈だ。
だが、それでも戦いが長引いていれば、もしかしたら逆転出来たかもしれない。
その逆転の手段を探るような真似も出来ず、一気に戦況が連合軍側に傾いたのは、間違いなく俺達シャドウミラーが原因だった。
そう考えれば、財団派の残党が俺達を恨んだというのは分からないでもない。
「連合軍の中にいただろう、内通者は?」
「そちらも既に手を打ちました。……今まで何度もスパイの調査はしてるのですが、それでも完全に一掃するという事が出来ないのは悔しいですね」
まぁ、スパイってのは隠れたり潜んだりする者だし。
破壊工作をしたりといった行為でもすれば、スパイの炙り出しもしやすいんだろうが……本当の意味でのスパイというのは、そんな真似をしたりはしない。
「その辺りは仕方がないだろ。どうしても、その辺りはロームフェラ財団の方が一枚上手だ」
王侯貴族の集まりである以上、当然のようにロームフェラ財団に所属している者達はこれまでにもスパイ網とかを作っていたりした筈だ。
それこそ長い歴史を持つだけに、どこまで深くその網が広がっているのかは、ちょっと予想出来ない。
それにこの手の事は、捜査も難しいしな。
大っぴらにスパイが潜入しているかもしれないと公言すれば、一般市民が隣人や友人を疑ったりもしかねないし。
「ま、とにかくこの話はこれで終了だ。今回の件の謝罪とかそっちに関しては、後で凛と交渉してくれ」
「……はい」
浮かない顔付きのサリィ。
まぁ、純粋な交渉能力という意味では考えれば、凛は相手の弱みを突くのが上手い。
実際、連合軍はこれまで凛と交渉してかなりの譲歩をさせられているのだ。
ましてや、この流れから考えると恐らく交渉するのはサリィの役目となる筈。
普段から凛と接しているサリィだけに、凛がどのような性格かというのは十分に分かっている
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