【花火のように】
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
ジワル言わないでよ! いいから耳かしてっ。...てゆうかそのままだと届かないから、身を低くしてってば」
「判りましたよ」
ネジは言われた通り身を低めてハナビが耳打ちし易いようにした。
───するとハナビは、ネジの片耳の横を流れる長い髪をサッと手でよけ、露わになった頬に軽く口付けた。
「……! それが、秘密の内容、だと……?」
ネジは一瞬驚いた表情をしたものの、少し困った様子で怪訝そうに間近のハナビを見た。
……当のハナビは、横向いて自分の片方の髪を掻き分け、頬を露わにしてネジに向けている。
「何のつもりです」
「...あれ、やり返してくれないのっ?」
「────する訳ないでしょう」
ハナビの頭を片手で優しめにぽんぽんして軽くあしらい、ネジは低めていた姿勢を正した。
「あー、子ども扱いー!」
「秘密めいた事などしている内に、花火が終わってしまいましたよ。…帰りましょうか、ハナビ様」
むくれるハナビだが、ネジは気にした風もなく呼びかけた。
「兄さま、来年も……再来年も、一緒に花火、見てくれる?」
「───任務と重ならなければ、構いませんよ」
ハナビへと柔らかな口調で答えるネジ。
「ふふっ、約束だよ、ネジ兄さま...!」
《終》
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ