【花火のように】
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笑ってしまった。
遊べる屋台も一通り巡り、知り合いとも会ったりしたがヒナタとナルトには会わなかった。
ハナビは、二人の事を探して声は掛けないで尾行しようなどと持ちかけたがネジは、放っておきましょうと述べるに留めた。
───そうこうしている内に花火が打ち上がり始めたので、ハナビは眺めがいい場所があると言って従兄と共にそこへ向かい、他に人の居ない高台から、大きく鳴り響く音と共に色鮮やかな大輪を咲かせて夜空を彩る花火を二人で見入った。
「ねぇ兄さま……花火、好き? ───って、わたしのことじゃないからね!?」
ふとネジに聞いてみたものの、急に慌てて自分の事ではないと否定するハナビ。
「嫌いではないですよ。ただ……初めて見た時は、身体にまで響く音の大きさに驚くばかりで、よく見れなかった事は覚えています」
「初めて見た時って...、小さい頃の兄さまだよね?」
「それはまぁ、そうですね。父さ...父上に、連れられて───抱き上げられていたと思うんですが、花火の音が怖くてしがみついてばかりいた気が……いえ、今のは忘れて下さい」
ネジは幼い頃の記憶を辿って話すが、その当時の情景を見られた気になって少しばかり恥じ入り、話を途切らせた。
「へぇ〜、やっぱり兄さまにもカワイイ時期があったんだねぇ...!」
「さぁ、どうでしょうね」
からかわれた気になって、ハナビから顔を逸らしはぐらかそうとするネジ。
「わたしも初めのうちは、おっきな音とまぶしい光が怖かったなぁ。母さまの着物の裾に顔うずめて、まともに見れなかったもん。
───父上は、どうしてこんなおっかない花火の名前をわたしに付けたんだろうって思ったこともあったけど……いつの頃からか音がそんなに怖くなくなって、ちゃんと見れるようになってからは、すっごくキレイに感じて見とれちゃったな。
あぁ...…父上はもしかして、本当にこんなキレイな花火のように立派になってほしくて、名前付けてくれたのかなぁなんて考えたら、うれしい反面プレッシャーになったりもしてるけどね」
「そんな風に感じる必要はない。───あなたは、あなたでいいんですよ」
隣り合っているすぐ傍で、花火の輝く明かりに照らされた従兄のこちらを向いた表情は、至極優しそうにハナビには見えた。
「……...ネジ兄さま、耳かして?」
「は...? 何故です」
「ヒミツの内容だから、耳元で話したいのっ」
「俺に秘密など打ち明けて、どうするんですか」
「もちろん、誰にもバラさないでもらうよ? 兄さまは口堅いだろうから、安心できるもの」
「……まぁ、内容によりますね」
「イ
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