【花火のように】
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ハナビに話を合わせておくネジ。
「え、そ、そうなんだ…?」
「だから姉さまは、ナルトと二人きりで行かなきゃダメだよ〜。…ってことで兄さま、わたしが着て行く浴衣選ぶの手伝って!」
「それくらい、自分で選んでください。…それでは、失礼します」
「夏祭りの時くらい、兄さまも浴衣着て来てよね〜っ!」
歩き去る背中にそう呼びかけられても、ネジは反応を示さずに自宅へ帰って行った。
「───そういうことだから姉さま、ナルトと二人きりの夏祭りデート、がんばってねぇ」
ハナビは楽しげに自分の部屋へ戻り、取り残されたヒナタは観念した様子で再び浴衣選びに取りかかった。
……翌日の夏祭り当日の夕刻、日向家で待っていたが痺れを切らしたハナビは従兄の家に迎えに来ていた。
「ちょっとネジ兄さま〜、昨日一緒に行くって言った夏祭りの約束、忘れたんじゃないでしょうね〜?」
「───ハナビ様、あの場限りの口約束ではなかったんですか?」
玄関先に現れたネジは、普段通りの格好をしている。
「えっ、そんな風に思ってたの? ヒドいよぉ、わたしは本気で兄さまと夏祭り行くつもりで言ったんだから! 今さら行かないとか、言わないでよ? せっかく浴衣着て来たのに……」
寂しそうに語調を弱めるハナビの姿は、色とりどりの花火柄をあしらった浴衣を着ていた。
「……浴衣にしては、丈が少々短いと思われるんですが」
「この方が動きやすいからいいの! ヒナタ姉さまは無難に朝顔柄の浴衣着て、ナルトと待ち合わせの場所に恥ずかしがりながら先に行ったけど......兄さま、今からでも浴衣に着替えられないの?」
「俺はハナビ様と行く前提なんですか。まぁ、構いませんが...。このままで十分でしょう、祭りに乗じた不届き者が居ないとも限りませんし、いつもの格好の方が動き易いですから」
「警備班じゃないんだから楽しまなきゃダメでしょ〜? ...まぁその格好のままでもいいや、とにかく一緒に行こ! 屋台で色々食べたり遊びたいしっ!」
ハナビに強引に手を引かれつつ、ネジはそれほど気乗りしないながらも付き合う事にした。
───ハナビはまず食べ物系屋台から巡り、チョコバナナ・焼き鳥・ベビーカステラ・焼きとうもろこし・りんご飴・たこ焼きなどを食べ歩き、
一方のネジはあまり一緒になって食べようとしなかったが、ハナビが熱々のたこ焼きをフーフーして食べさせてあげると言って勧めてくるので、仕方なく身を低めて少しためらいがちに開けた口の中にたこ焼きを放り込まれると、
やはりまだ中が熱々で眉根を寄せてしばらく片手で口を覆いモゴモゴしているので、それを見たハナビは堪えきれずに
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