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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十話 狂乱の始まりです。
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及ぶのだ!!」
会場が愕然、擁護、批判、驚きなどの喧騒の色に包まれたが、シャロンは顔色一つ変えず、悠然と微笑みながら会場を静かに見つめている。
「そのような多額の血税を投入したあの要塞がなしえたことは何か?!答えは『何一つなしえていない。』だ!帝国軍になるほど多少損害は与えたことは事実として認めよう。だが、我が同盟も同等それ以上の被害を被った。それならば大艦隊をもって相対しても同じことではないか?!」
議員の発言を肯定、否定、擁護、反発の叫びが飛び交ったが、ともすれば野党派は勢いづき、与党派は押され気味になった。何しろアーレ・ハイネセンが何一つなしえないまま帰投したことはれっきとした「事実」だったからである。およそ1時間にわたり野党側からの攻勢が続き、ついにそれに対する「当事者」からの答弁がなされることとなった。
「イーリス中将。」
この名前が呼ばれた時、シャロンは厳かに立ち上がり、優雅な足取りで壇上に上がった。誰もがしぼむように声を出さなくなったのは彼女の持つオーラに当てられたからにほかならない。
「で、あなた方は私に何を求めているのですか?」
開口一番に放たれた言葉は予想外の物だった。気圧された様に会場の空気がシャロンを起点として放射状に逃げるように動いたのが彼女の近くに座っていた速記者には感じられた。
「この敗北に対しての原因究明と謝罪だ。」
誰かが発言した。先ほどの議員かも知れないし、別人かも知れなかったが、シャロンは意に介さなかった。
「原因は明白ですわ。」
シャロンは悠然と微笑んだ。
「あなた方政府がアーレ・ハイネセンの建造を決定したことです。軍としてはそれに従わざるを得ませんでした。あなた方政府がアーレ・ハイネセンの派遣を決定したことです。軍としてはそれに従わざるを得ませんでした。」
一瞬、会議場の空気が固まった。誰しもが身動きをしようとしても動けず、ただ衝撃の大きさを体に刻み付ける作業を行うしかなかったのである。ようやくその作業を終えた人間が一人、また一人と喚きだした。
「非常識な!!」
「何を言っているのだ!?」
「実際に作戦を行ったのは貴様ら軍ではないか!!」
「責任を取れ、責任を!!」
「議長、即刻参考人を――。」
不意に議場が静まり返った。いったん喧騒に陥った議場は容易なことでは静まり返らない。にもかかわらずそうなったのは、たった一つの身振りだった。シャロンが軽く片手を上げた、ただそれだけで。
「失礼いたしました。これはほんのジョークですわ。」
ジョーク、だと・・・。という唖然としたささやき声が議事堂を駆け巡った。
「ですが、このささやかな失礼に百倍、いえ、数千倍する対価を皆様にお支払いいたします。」
訝しげな視線が集中される中、彼女は微笑を浮かべて話し出した。同時に彼女の身体から赤いオー
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