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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十話 狂乱の始まりです。
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である。推挙と言えば聞こえはいいが、実際はスケープゴート、いや、この機会をもって彼女を排しようと考えていたのだった。排除できないまでも彼女の勢いをそぐことができればと考えたのである。
その思惑を知ってか知らずか、シャロンは「承りました。」とだけ言い、特に反対も陳情もしなかったのである。これについてはブラッドレー、シトレサイドはやや不安を覚えたが、さりとて今の段階ではどうしようもできない事だった。
「ま、とにかく用心をするに越したことはない。今回の評議会での証人喚問において作戦立案者たる彼女に責任が集中すれば、即座に彼女も今回の敗戦の責めに帰すべき人物のリストに連座させる。ひとたび軍の中枢から外れれば、容易には復帰できはしない。その間にさらなる手を打つとしよう。」
「失礼ですが、シトレ閣下。閣下はシャロン・イーリス中将を暗殺なさろうとするおつもりですか?」
ウィトゲンシュティン予備役中将が澄んだ声で、しかし鋭いまなざしをもって正面から彼を見つめた。思わずヤン・ウェンリーが身じろぎをするほどの視線だった。
「彼女が真に同盟にとって脅威となりうる存在であると確証があるまでは、私は手出しはしない。」
「確証が持てれば手出しをするという事ですか?」
ウィトゲンシュティン予備役中将の声は鋭い。
「いけないかな?」
「彼女は危険な存在です。失礼ですが暗殺などという生温い手段では到底彼女を倒すことはできないと思います。」
「暗殺が生ぬるいだと?おいおい、たいそうなことをいう嬢ちゃんだな。」
ブラッドレー予備役大将は大仰に肩をすくめた。
「だったらあれか?奴を公開処刑にするか?あるいはリンチにしてぶった切って畜肉場の豚の餌にしてやるか?」
「閣下!私は本気で心配しているんですよ!もう!」
ウィトゲンシュティン予備役中将が怒った。その拗ね方はヤン・ウェンリーをして自らが木石でないことを再認識させるには十分なものだった。
「ヤン中将、君はどう思うかね?」
シトレに促されたヤンはウィトゲンシュティン中将から視線をかつての恩師に戻した。
「私としては彼女の正体を掴みかねているところもあって、あまり強硬な手段に訴えるのはどうかと思います。何しろ彼女には表だった、明白な、疑いようのない罪状はないのですから。この自由惑星同盟では、建前上はそうなっているはずですよ、疑わしきは罰さず、と。」
「・・・・・・・・・・・。」
ウィトゲンシュティン中予備役中将は黙って膝の上のコーヒーカップをソーサーごとテーブルに返した。乾いた陶器が触れあう音がかすかに3人の耳にも届いてきた。
「ヤン中将。」
ウィトゲンシュティン中将は彼の方を向いた。
「あなたの事はある人たちから聞いています。その人たちはあなたの事をこう評していましたよ。あなたは昨日のことは知っている。
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