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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十話 狂乱の始まりです。
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を辞任することとなった。予想外だったのはブラウン・フォール派閥に属する要塞司令官クレベール中将がスケープゴートにされたことだ。そして・・・・。」
シトレはウィトゲンシュティン予備役中将を見ながら、
「君の第十三艦隊司令官から予備役への転出も、止めることはできなかった。」
シトレ、ブラッドレーの力と派閥をもってしても、最高評議会にはかなわなかったのだ。また、軍の人事権を握る軍の人事局に関してはシトレ、ブラッドレー派閥はむしろ少数であり、評議会とつながる人間が多い。
「クレベール一人を生贄にしたところで、まだ羊共は沢山いるとふんだのだろうよ。」
ブラッドレー予備役大将が苦々しげに言う。
「その生贄の羊を選定する司祭は一体誰なのでしょうね?」
ヤンの隣に座って白い手でコーヒーカップを撫でているウィトゲンシュティン予備役中将の問いに、ブラッドレー予備役大将は肩をすくめ、
「司祭共は評議会の政治屋とそれに加担するインテリどもだろうが、まだ裏にもう一人二人いると見たな。どうだ、シトレ?それにヤン。」
4人の脳裏にはある一人の人物の顔が浮かび上がってきた。表向き最高評議会がすべてを牛耳っているがその実舞台裏にいて演出をしているのは――。
「シャロン・イーリス中将ですか。」
その名前は統合作戦本部長室に虚ろに響いた。
「階級から見れば高々一中将で、戦略課という一部局の作戦部長にすぎん。だが、奴の場合はそれが当てはまらない。これは俺の勘だがな、今回の一件は大地震の前の初期微動だ。もういつ奴が動き出してもおかしくはないと思ったぞ。」
いつ動き出してもおかしくはない。その言葉の重みを正確に理解しているのは同盟全土でもこの四人のほかに幾人いただろう。もちろん、帝国側には彼女の恐ろしさを知悉している人間は多数いたが。
「思えば、先年の和平交渉の際に妨害がありましたが、あれも彼女の仕業だったのでしょうか?」
ウィトゲンシュティン予備役中将の呈した疑問にヤンは首を振った。
「いや、それはないと思います。あの時帝国側からは大貴族の長であるブラウンシュヴァイク公爵、そしてリッテンハイム侯爵がともに出席していました。いくら彼女でも、いや、彼女だからこそ、あの場であの二人を殺してしまえば、帝国が全戦力を上げて報復に出てくることは知っていたでしょう。彼女の仕業じゃありませんよ。」
「俺もそう思う。どちらかと言えば、準備が整ってから乗り出すタイプだ。アイツはな。」
ブラッドレー予備役大将はコーヒーをすすりながらそう言った。そのシャロンは作戦部長としてアーレ・ハイネセンの敗退の件につき、評議会において参考人として招致されることとなっていた。本来であれば軍の最高責任者レベルが召喚されるのであるが、シドニー・シトレ大将とブラッドレー大将は作戦責任者として彼女を推挙したの
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