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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第九十話 狂乱の始まりです。
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って辞任した後、彼が代理を務めることとなったのである。少なくとも、当面の間は。
「そう言うな、俺はまだ死んだわけじゃない。退役しただけだ。」
そう言ったのは他ならぬブラッドレー退役大将である。引継ぎという名目でちゃっかりと統合作戦本部長室に居座っているばかりか、勝手にコーヒーサイフォンからコーヒーを入れてシトレとヤンに振る舞っていたのである。そしてもう一人、客がいた。クリスティーネ・フォン・エルク・ウィトゲンシュティン予備役中将である。
「ヤン少将、いや、中将。」
ヤン・ウェンリーは少将ではなく、この統合作戦本部長室に入った瞬間に、正確には10月15日午後1時30分をもって中将になっていたのだった。あの多大な敗戦を100%敗戦のみとしてしまえば、同盟市民が納得はしない。誰かをスケープゴートにし、誰かを英雄に仕立て上げなくてはならないのだ。
スケープゴートの標的は、要塞司令官でありながら要塞を満足に使いこなせなかったクレベール中将に集中した。彼は少将に降格させられ、辺境の基地司令官に転出していったが、その時の表情はまさに見ものだったという。
「何故、私だけが標的にされなくてはならないのだ!!」
と、腹立ちまぎれに言い残して彼はシャトルに乗っていったというのが目撃者の談話である。
他方、ヤン・ウェンリー少将は敗軍をよくまとめるべく多大な貢献をし、敵に有効な打撃を与えつつ遠征軍の後退を支援したという事で中将に昇進していた。ウィトゲンシュティン中将は据え置きとなったが、病弱の身として予備役を命じられ、第十三艦隊の司令官から外されることとなった。カロリーネ皇女殿下やアルフレートらが恐れた事態になったのである。人事局の背後に誰がいるかをウィトゲンシュティン中将はそれを肌で感じ取っていたが、何も言わずに辞令を受領したのだった。
だが、シドニー・シトレ大将やブラッドレー大将は易々と敵の思惑には従わなかった。第十三艦隊の残存部隊をそして新兵の一部を第十七艦隊に組み込んで、新生・第十七艦隊として再編成したのである。艦艇13000隻、兵員130万人は一個艦隊としてはほぼ正規艦隊に同格の数字となった。書類上は、である。また、第十三艦隊については零からの再編成となり、予備役や新兵、それに新造艦隊をもって充てられることとなった。指揮官は第二艦隊分艦隊を任されていたニコラ・ジャン・ケレールマン少将が中将に昇格して指揮を引き継いだ。
こういう事情もあって、ヤン・ウェンリーとウィトゲンシュティン中将は表向き第十三艦隊の引継ぎという名目で本部長室にやってきていたのだった。
「既に知っているかと思うが。」
一番最後に入ってきたヤンを席に着かせ、コーヒーカップが一渡り渡ったところでシトレが口を開いた。
「ブラッドレー大将閣下は今回の敗戦の責任を負う形で統合作戦本部長
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