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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第590話】
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ドはヒルトの一基に全て払われた。

 その有り得ない光景に一瞬思考が停止したラウラ――だが、その一瞬が命取りだった。

 瞬時加速と同時に放たれた一閃は、ラウラの胴へと当てられ、痛みと共に絶対防御が発動。

 バリア無効化攻撃は絶大で、その一撃を受けたラウラのシールド・エネルギーは〇になった。

 試合終了のブザーが鳴り響く。


「……ヒルト、いつの間にそれだけ腕をあげたのだ?」

「え? ……自分じゃ今一実感ないが……上がってるのか?」

「あぁ。 ……少なくとも、以前模擬戦を行った頃より遥かにレベルが上がっているように思える」


 ラウラの言葉に、思い当たるのはここ最近見ていた【夢】が原因としか思えなかった。

 何度も現れる仮面の男『ウィステリア・ミスト』の存在。

 だが……夢を見たたけで強くなれるなら誰しも苦労はしない。


「……持つべき者の義務《ノブレス・オブリージュ》」

「え……?」

「それと、前に言われた親父の言葉。 『一人の男が世界を変える』……この辺りかな、今の俺の強さは」


 答えじゃないことはわかっていた、だけど……夢で見た事よりも【意味のある言葉】の方が信憑性は高いとヒルトは思った。

 その言葉を訊いたラウラは、僅かに頬を紅潮させ――。


「ば、バカ者。 ……不意にかっこよく決めるな……」

「ははっ、俺には似合わなかったな」


 そう答えたヒルトに、ラウラは視線を逸らした。

 恋をしてるからか、何を見ても何を訊いてもかっこよく見えてしまう。


「つ、次の準備もあるだろう! ヒルト、まだまだ続くが……無理はするな。 少なくとも、ヒルトは私達に勝利したのだ、委員会も必ず代表候補生としての選出を考えざるをえなくなるはずだ」


 事実、ヒルトが勝つ度に評価は上がっている、モニターしている教師陣ですら評価を改めていた。

 従来、モンド・グロッソでも試合後の休憩はある、試合とは神経を磨り減らすものだ。


「そうだな、そうなれば……良いけどな」


 ヒルトはそう答えるも、本心じゃなかった。

 万全を期す為にも、ヒルトは疲労が溜まろうと勝つしかなかった。

 ラウラにサムズアップし、改めて補給に戻ったヒルト。

 だが次からの戦いはヒルトにとって更に厳しいものになるとはこの時、誰も思っていなかった。

 一部を知る者以外……。
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