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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
三十二話 回答
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[「間もなく、予選第四組、第五試合を開始します」]
「おっと、そろそろ始まってしまうか……どうかな、そこで一試合一緒に見ていかないかい?」
「ん?あー、うん、いいよ」
「決まりだ」
ニコリと笑って、ミカヤとノーヴェは近くにあった席に隣り合って座りこむ。

「それで?どうだったんだい?試合の方は」
「あぁ、初戦から大苦戦。正直危なかったと思うよ」
「あれ、意外だな、てっきり順当かと思ってたよ」
「まぁ、そこは追々ね」
ノーヴェとしても、あそこまで苦戦するのは予想外だったのだ、こればかりは、完全にIMに対する見立ての甘さと不意を突かれたと言う他ない。そう言う意味でも、今一度気を引き締めなければならないというのが今のノーヴェの心境だった。

「そう言えば、これから試合するシュタイン選手、順当に行けば三回戦で……」
「クラナ君と当たる。うん、彼も見ているだろうし、ナカジマちゃんもしっかり見ておいた方が良いだろうね、エーデルは強いよ」
「あ、ミカヤちゃん知り合いだっけ」
そう言えば双子からそんな話を聞いていたことを思い出して、ノーヴェが彼女の顔を見る。と、少し、驚いた。

「あぁ、うん。そうだね、友人だ」
「…………」
その横顔を、どう表現したものか、どこか羨むような、期待するような、あるいは……

「ミカヤちゃん的にはどうなの、この試合?」
「うん?そうだな……一応、エーデルが勝つと、友人としては期待しているよ。ただ……」
そう言うと、少しミカヤは自嘲気味に笑う、その真意は、ノーヴェにはわからない、ただ……

「私は今少し……彼が勝つことを恐れているのかもしれないな……」
そんなつぶやきを彼女の口からきいたのは、これが初めてだった。

────

[「さぁ続いては第五試合、此処に来て上位選手(トップファイター)の入場です!!」]
アナウンスによって一息に会場が湧いた。此処で登場する選手が、高い人気を誇る選手である証だ。歓声と共に、上下の白い道着に黒い帯を締めただけのシンプルなバリアジャケットに身を包んだ少年が入場してくる。

「レッドコーナー!IM男子の部においても屈指の柔拳の使い手!!管理外世界の伝統武芸を主体に、都市本戦十位まで駆け上がった男……エーデル・シュタイン選手ぅ!!」
盛大な歓声を受けながら、けれどリングに向けて歩み寄る少年の姿はただただ静かだった。凛とした立ち姿のままリングに向かうと、きっちりと一礼して線を跨ぐ。その反対側の入り口から、上半身を裸にし、トランクスとブーツ、ボクサーグローブだけという装いの少年が飛び跳ねるように入場してきていた。

「対するブルーコーナーは、今年登場したフレッシュルーキー!しかして、名門、イスマイルスポーツジムが誇る重鎮、ミゲル・サラスコーチ
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