暁 〜小説投稿サイト〜
Unoffici@l Glory
1st season
6th night
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
った溢れるほどのパワーをいかんなく発揮し、エンジンが甲高い叫び声をあげる。

「あの35R、今度見かけたら必ず叩き落してやるからな……ん?」

 しかし、鼻息荒く飛ばす男の後ろから、黄色い稲妻が襲い掛かる。新進気鋭のショップ、「ガレージ・フェイト」が手を入れたR8 FSIだ。

「丁度いい。こいつを食い散らして景気付けといくか!」

 F40はアクセルをさらに踏み込み、最高速勝負に持ち込んだ。急激なトルクに耐え切れず、暴れるマシンを抑え込む。



「ふーん……車はそれなりにやってるみたいだね。だけど……」

 R8のドライバーであり、「ガレージ・フェイト」の社長でもある「金色の不死鳥」は、F40からつかず離れずの距離にいつつ、何かを仕掛ける様子もなく、ただ観察するかのように静かに追い回す。

「そんな骨董品を走らせてあの『D』に挑むには、ちょっと走りが荒すぎるんじゃないかな……っとお兄さん思うんだけどねぇ」

 しかし、展開そのものは静かとは言えど、スピード領域は疑うことなくトップギア高回転、280キロ台での最高速バトル。一般車を避けていく中で、F40の挙動がユラユラとブレはじめる。

「まぁ安心しな。決してアンタが下手なわけじゃないさ。そんな車をこんな領域でちゃんと走らせれるだけたいしたもんだ。ただまぁ……」

 その様子を見た不死鳥は、パスするためにラインを変え、さらにアクセルを踏みつける。エンジンが甲高い遠吠えを上げ、揺らめくF40の前に空気の壁すらないかのようにスルスルと出ていった。

「……相手と運が悪かったんだよ、アンタは」

 既に300キロを超えていながら、なおも圧倒的な加速力の差を見せ付ける。R8のバックミラーからF40の姿が見る見るうちに消えていった。その彼こそが、現在湾岸線最速と謡われる存在である。

「最高速の世界は甘くないってことさ。出てこい……『Dの遺産』……」



 同じ時間帯。C1内回りをロータスエリーゼSCが走りこんでいる。「ゴシップハンター」のショップに出入りしている青年だ。

「この車じゃあ、あの最高速エリアは無理だ……あのオッサン、ここで誰に勝てって言ってたっけ……?」

 江戸橋を過ぎた所、その遥か後ろから、ものすごい勢いで一台の車が青年を追い越していった。

「うっそだろ……なんだよ今の……っ!?」

 呆気にとられている彼をもう一台の車が追い越していく。バトルの最中といったところか。

「こっちなんて見てねぇってわけか……せめてその面だけでも拝ませてもらおうか!」

 青年もさらにペースを上げ、二台の後ろに張り付く。その二台は、いつぞやのバトルで決着のつかなかったインプレッサ22BとランエボXだった。

「野郎、ここで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ