第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
外の現状と、これから
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」
そんな中、彼は…ソウヤは――
「俺の手を取れ。お前に俺を信じさせてやる」
――ルリも背負うというのか。
ルリは目を閉じると、大きく息を吸ってソウヤに近づく。
そして…自分より高い身長のソウヤに抱きついた。
「――――――」
思いもよらなかった行動に、ソウヤは無意識に息を短く吸う。
その中で、ルリはソウヤの胸の中で語りかけた。
「じゃあ、私のことも信じてください。私だけ背負われるのは嫌です」
ヒロインらしからぬ言葉に、ソウヤは苦笑する。
ただ、目頭が暑くなるのを感じながらソウヤは優しくルリの頭を撫で、もう片方の手をルリの手に合わせ握りしめた。
そして、小さくソウヤは呟く。
「――あぁ…。頼む」
そんな光景を、ギルティアは微笑ましそうに、ルビはどこか不機嫌な顔つきで眺めていた。
色々と話を纏めるために、一旦ソウヤたちはギルティアの家へ戻っていた。
そこで、ソウヤは”神をも殺せる力”を手に入れるまでとゴーレムを倒した後のアルティマースとの会話を全員に話している。
「――ということだ」
「ふむ、アルティマース様がそう仰ったのなら問題はないじゃろうの」
「ソウヤ、とっても…大役」
ソウヤが出来るだけ簡潔に全ての事情を言い終わると、ギルティアは真っ先に反応を返した。
ルビはアルティマースなどの事情を一切今まで知らなかったため、それも含めて今話しているのだが、そうとは思えないほどの軽い返し方である。
帰る途中で目を覚めした深春の容態をルビは確認しながら、ソウヤに問うた。
「ソウヤさんは、これからどうするつもりですか?」
「そうだ…。ルリ、外の様子はどうなっているんだ?俺が居なくなってから何年経ったっ!?」
徐々に熱が入ったのか声が上がっていきながらルリに質問で返すソウヤ。
「あっ」と声を上げたルリは、どうやら話すことを完全に失念していたらしい。
「えっと、ソウヤさんが居なくなってから大体2年と少しが経ちました」
「なら”軍勢の期”は終わっているんだな?」
「はい。勇者様の手により魔王は倒されています」
そうか…と溜め息をつくソウヤ。
「今、外はどうなってるんだ?」
「ソウヤさんの知っている世界とはだいぶ変化しています。魔物は大きく弱体化し、殆ど脅威はありませんが、トリップした異世界人を”天使”と名乗る有翼人が見張って満足に動けない状態です」
「国は?」
「主な都市・町・村以外は殆ど焼け野原と……」
ソウヤは顔を傾けると、黙りこんだ。
―俺がいればもっと被害は小さく出来た…。
だが、すぐにソウヤはそんな考えは捨てる。
「たられば」を考えて状況が良くなったこと
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