第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
望むもの
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「それにしても変だよネ、君ってサ」
木の人は全くだと苦笑いを浮かべる。
「どれかを選ぶか全てをくれなんて言うと思ったんだが」
鋼の人は呆れたように、だがどこか嬉しそうな複雑な表情。
「まぁ、これで僕達の役目は終わった。最期に力を化すことは出来ないからね」
炎・水・土・風・木・鋼の人々はソウヤに手を差し伸べると、言った。
「汝に、力を託そう。汝に相応しき力を――」
――ソウヤの視界が揺れてゆく。
―…意味、わかん…ね、え……。
そう愚痴りながらソウヤは意識を落とした。
「――いやぁ、それにしても彼。本当に面白かったネ」
「それには賛同するよ、シルフィア」
彼が消えた後、風の総神は無邪気に笑いながらそう言った。
それに賛同するように木の総神は頷く。
「全てを拒否するとは思わなかったな」
「なんか、逆に”全てくれぇ!”とか言うと思ってたぜ」
炎の総神は驚いたことを隠せない様子だ。
小柄な地の総神は両手を頭の後ろで組んで自分の思ったことを言う。
「渡した力…。あの青年は大丈夫でしょうか?」
「問題無いだろう、アイツは喜ぶはずだ」
水の総神は心配そうに呟くが、それに鋼の総神は安心させるように小さく呟いた。
「にしても、まさかあの神さんが容易してるとは思わなかったなぁ」
「あぁ、あの力ですか?」
「確か、名前ハ――」
ガルフィアがびっくりしたように呟くと、ウォルフィアが賛同する。
さきほど頭に入ったばかりの名前を一生懸命掘り出そうとするシルフィア。
そこに、ヒューマフィアが仕方なさそうに呟いた。
「――全てを拒否する力だ」
その後しばらくの間、世界全ての気候を操る炎・水・土・風・木・鋼の6神はその祭壇で話していた。
殆ど、ソウヤのことについて…だが。
「――ッ!!」
ソウヤは意識が覚醒するのを感じ、目を一気に開ける。
周りの景色は、さきほどと違い木々に覆われた森だ。
ソウヤの目の前には巨大な樹がずっしりと立ち構えていた。
不意に、ソウヤは身体中に違和感があるのに気付く。
身体はまるで重りが無くなったかのように軽くなっているのだ。
そして、ソウヤ自身の身体の中から”魔力”が感じなくなっていたのである。
「どういう…。ステータスはどうなっている!?」
ソウヤはステータスのことを思い出し、ステータスを見つめ…絶句した。
「MP…0?魔法の類も無くなっている…」
ステータスは、魔法という概念がソウヤから無くな
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