251部分:第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十二
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第二十一話 劉備、友を選ぶのことその十二
「私達がこのまま右翼から敵の正面を引き受けますので」
「曹操様はまた側面から御願いします」
「ええ、わかったわ」
二人のその言葉に頷く曹操だった。そのうえで曹洪と曹仁に顔を向けて告げた。
「冬瞬、夏瞬」
「はい、それでは」
「すぐに軍に戻り動くわよ」
そうするというのだった。
「正面は麗羽の軍が引き受けるから」
「全く。将が前に出なくて何をしますの」
「ですから幾ら何でも矢面に自ら立たれないで下さい」
「麗羽様は剣しか使えないですし」
何気にそれが問題の袁紹だった。
「ですから今回は後ろの方で全体の指揮を御願いします」
「最悪弓矢が届かない場所にいて下さい」
「全く。それでは戦の意味がありませんわ」
まだ言う袁紹だった。極めて不機嫌な顔になっている。
「将たる者が前に出なくては」
「あのね、幾ら何でも限度があるのよ」
曹操も溜息混じりに袁紹に告げる。
「そういうことは貴女のところの顔良や文醜がやってくれてるでしょう」
「それはそうですけれど」
「ならそれでいきなさい。私だってそういうことは春蘭や秋蘭に任せてるのよ」
「あの二人にですのね」
「わかったら大人しくしておきなさい」
曹操は告げた。
「いいわね」
「わかりましたわ。それなら」
「はい、それじゃあ麗羽様」
「今はそうしましょう」
高覧と張?がまた主に告げる。
「騎兵隊だけじゃなくて黒梅さんが強弩も用意していますし」
「それで防いで」
「そうですわね。ではその様にして」
作戦のことにはまともに話を聞く袁紹だった。
「戦いますわよ」
「はい、それじゃあ」
「今から」
こう話してだった。劉備達を援軍に向かわせる。彼女達は曹操と袁紹に礼をするとすぐに桃家荘に向かった。だがここでだった。
公孫賛がだ。二人のところに来て言った。
「桃香達は何処だ?」
「あら、誰だったかしら」
「何処かで見たような」
曹操と袁紹はその彼女の顔を見てきょとんとした顔になる。
「見たところ一軍の将だけれど」
「どなたでして?」
「だからいい加減覚えてくれ」
公孫賛もいい加減泣きそうな顔になっている。
「私は公孫賛だ。白馬のだ」
「白馬っていっても多いしね」
「そうですわね」
二人は白馬といっても動じない。
「だからそれを言われても」
「特にこれといって」
「何故いつもこうなんだ」
公孫賛は歯噛みしてしまった。
「私は。何故いつもこうなんだ」
「さて、それじゃあね」
「ええ、烏丸の軍を叩きますわ」
二人はそんな公孫賛を他所に戦の話を進める。
「今すぐに」
「そして戦いを終わらせますわよ」
こうして公孫賛を蚊帳の外に置いて話すのだった。
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