第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
守護者と見習い
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だが、それでも耐久力が同じ王剣の中では最も低いはずだ。
少なくとも王剣である雪無よりも。
故に、ソウヤと深春の役割はソウヤが囮で深春が攻撃役に落ち着いている。
…まぁ、それもあのゴーレムの装甲を貫かなければ意味が無いのだが。
ゴーレムも馬鹿では無いようで、深春の方へ向くと左にある銃口を突きつけた。
しばらく戦って分かったが、あの銃は一発撃つごとにインターバルが大きく存在するらしい。
だが、その分威力は一瞬でそこらが消し飛ぶぐらいにはある。
銃口が深春に向いたことを察したソウヤは、すぐさま銃口と深春の間に割って入り――
「どらっしゃああああ!!」
――ソウヤにしては珍しく、雄叫びを上げながら火を吹いて迫り来る自分たちの身長2倍ほどあろうかと思える銃弾を雪無で相うつ。
その間に深春はソウヤの横を抜け、ゴーレムに走りだした。
―やっぱり、重いッ!
流石に雪無の耐久力が心配になってきたソウヤだが、銃弾を逸らすことはしない。
なぜなら、この先にいるのはルビだからである。
ソウヤは拉致があかないと片方の手で持っていた薙沙を地面に突き刺すと、”片手”で対抗していた雪無を両手持ちにした。
「――ッ!」
小さな気合の声と共に、銃弾の衝撃を全て受けきった。
ズドンっ!という音を響かせ銃弾が地面に落ちる。
ソウヤは慌てて視線を深春に合わせると、一撃を入れたようだがダメージが与えられず下がっているようだ。
完全にゴーレムの意識が深春へ向いている。
「っち」
ソウヤは今すぐ助けに行こうとするも、幾度も凄まじいほどの銃弾を受けきったために身体が悲鳴を上げ始めていた。
脚が震えて立ち上がれない。
「はっ――――!」
空気が抜ける音がして、遂に捕まった深春は巨大な質量の塊に吹き飛ばされる。
辛うじて刀で防御したようで死んではいないだろうが、体の中の空気を全て吐き切ったらしく過呼吸をおこしていた。
―やばい。
たった一言だけ、ソウヤは内心でその状況を現した。
しかし、次の瞬間には不敵な笑みがソウヤには浮かんでいる。
「おい――」
凄まじいほどの数の剣が突如飛来し、深春に止めを刺そうとしたゴーレムに襲いかかる。
視界に映るのは、今の今まで訓練していたであろうルリと教えていたギルティアだ。
「――どうして、お前らがここにいるんだよ」
「ソウヤさんっ!?」
そんなソウヤの呟きをいざ知らずと飛び込んできたルリは、足を生まれたての子鹿のように震わせているソウヤの元へ走る。
ゴーレムを中心として巨大な剣山を創りだしたギルティアに、ソウヤは目を向けた。
「どうして、魔法が使える?」
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