第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
守る先にあるものは
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は後ろを振り向いて、それぞれの2人の少女たちに視線を向けた。
ルビと深春は準備満タンのようにそれぞれの得物を確かめている。
ギルティアのおかげか、ルビは凄まじい回復を見せ完璧とは言えないものの、戦力にはなる程度までは回復していた。
先程まで寝泊まりしていた家の玄関を見つめると、ルリとギルティアが静かに立っている。
ソウヤの視線に気付いたルリが、済まなさそうな顔をした。
「すみません、付いていけなくて」
「気にするな。お前はお前の、俺は俺のやることをするだけだ」
ソウヤは苦笑いを浮かべてそう言う。
それを聞いたルリは優しい笑みを浮かべて、「はい」と言った。
「さぁ、行くぞ」
「――――――」
「でござるな」
ルビはしっかり頷き、深春は呑気に肯定する。
ソウヤ達が森の中へ歩き出した。
歩きながら、チラリと深春のほうをソウヤは見る。
「ん?」とにこやかな笑みを浮かべて、深春はソウヤを見返す。
―…本当にこいつは、これで良かったのか?
昨日、ルリたちの元へ戻ってから、深春がソウヤに対して提案したのだ。
「一緒に連れて行って欲しい」と。
ソウヤと殺しあったため、初めは猛反対していたルリとルビだが、ソウヤが許可したのだ。
「小生は、もう負けないでござる。例え、”武力で負けよう”とも、二度と”心は負けない”と、誓いをたてたのでござる」と言った、深春の真剣な表情が今でも頭に残っている。
―いや、無粋だな。
そこまで思い出し、ソウヤはさきほど考えたことが誤りだと気付く。
深春も、自身と同じく自分と向き合い、二度と後悔しないように努力する気なのだ。
人の努力を無視して勝手に物事を考えるのは、それこそ愚行だろう。
「――ソウヤ殿」
「…ん?」
「……つい、たっぽい」
深春とルビの声に、ソウヤは初めて自身が森の奥底に居ることに気が付いた。
どうやら、考えすぎていたらしい。
ソウヤは自身の馬鹿らしさに内心で溜め息をつくと、雪無を抜いた。
「この先のことは、知らないんだな?」
「そうでござる。この先からは結界が張っているでござるし、小生も入ることを許されなかったでござる」
ソウヤは、「そうか」と短く答えるとゆっくりと近づいていく。
ふと、目の前の森に違和感を抱き、ソウヤは何の躊躇いもなく雪無を突きつけた。
甲高い金属音が響き、なにもないはずの空間から物理的に拒絶された。
「ルビ、行けるか?」
「ん…」
ルビは短く答えると、結界であろう場所に手を差し伸べ幾つか呟くと目の前の違和感が消える。
この間、たったの3秒だ。
「…速いな」
「ん、ほめていい」
少しだけ額に汗を浮
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