第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
深春の過去
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らだと、考えなおして聞くのに専念した。
「母が、壊れたのでござる。度重なって見知らぬ人と身体を重ね、もうとっくに母の精神は狂っていたのでござったが…それに、止めが入ったのでござるよ」
壊れた。
たったそれだけの言葉に、どれだけの思いがこもっているのだろうか。
ソウヤにはそれが、わかってやれなかった。
「小生が家に帰ると、家で首を吊って死んでいたのでござる。そして、グチャグチャな文字で私宛の手紙が置いてあったのでござる。『貴方が居なければ』そう…ね」
「――――――っ」
ソウヤは静かに息を飲んだ。
「それから、小さな…本当に小さな葬式を上げて母を埋葬し、小生は母の貯金とバイトで働いてたのでござる。でも、そんなのはすぐに金が尽き、もう食べ物を買うお金も無い――」
ギリッ…と深春は歯を鳴らすのを深春は感じた。
「――そんな時に、突然母を強姦したアイツがやってきて…私は」
深春は、両肩を自ら抱きこれまで無いだろうと言うほどに身体を震わせる。
目が完全な怯えに染まっていた。
「私は、私は、私は私は私は私は私は――!」
急に、何かに深春は叫びだした。
泣き叫ぶ。
それを見て、ソウヤは思わず――
「落ち着け、暁月っ!」
――深春を抱きしめていた。
「ッ!!!!」
深春は、その身を一気に震え上がらせとてつもない力でソウヤを引き剥がそうとする。
「止めてっ!止めてッ!私を”犯さないで”ッ!!!」
その言葉を聞いて、ソウヤは全てを察する。
そして、それを聞いて更に深春を強く抱きしめた。
「大丈夫だ…!お前が今いるのは地獄じゃないっ!あいつらの居ない世界だっ!」
その声を聞いて、深春は震えが弱まった。
徐々に頭を上げてソウヤと目が合う。
「ソ、ウヤ…?」
「あぁ、俺だよ。ここは地獄じゃない。あいつらも居ない」
安心したように、深春はソウヤの胸に顔を預けると、背中に手を回す。
「あったかい…」
そうして、しばらくすると、小さく深春は呟いた。
「私は、アイツに力任せに見知らぬ車に載せられて、廃ビルに連れられて…集団で強姦された」
輪姦。
そんな言葉がソウヤの頭によぎる。
ソウヤは無性に苛ついて、地面を全力で殴ろうとして――
「っ!」
――ここの地形をどれだけ破壊するのか分からないので、ギリギリの所で止めた。
それを見た深春は小さく笑う。
「そして、アイツは強姦してきた奴らからお金をもらい、私は廃ビルに置いていれた。そんな時――」
深春は、顔を静かに上げるとソウヤの瞳をしっかりを見つめ、口を開く。
「――あの男…ウィレスクラが現れたの。
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