第3章
2節―”神殺し”を追い求めて―
勝負
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して認識しながら深春は分け目振らず駆ける。
―…間に合うっ!
深春がそう確信すると、同時にさらに加速。
そう予想した通りソウヤの巨剣が深春の元へ到達するより速く深春の刀がソウヤをリーチに入れるほうが速かった。
ここまで接近されるとソウヤは対応出来なくなり、深春の刃はソウヤの腹を目掛けて近づいていき――
「…らぁっ!!」
――突如として目の前に現れた剣によって防がれた。
刃が同士がぶつかると同時に、ソウヤの再突進からの音が遅れてやってくる。
しかし、その圧倒的なまでの剛力にソウヤは為す術もなく吹き飛ばされた。
―俺の筋力が負けるのか…!?
その事実に驚愕を隠せないソウヤは、地面を削りながら停止する。
「…お前、本当に人か?」
「ひどいでござるなぁ、ソウヤ殿は」
にこやかな笑みを浮かべた深春は、ソウヤに視線を向けた。
「人でござるよ。ただの…ね」
どこか思うところのある笑みを浮かべたまま深春は一気に、ソウヤに攻め入る。
瞬時に懐に入り込むと、その刀を横薙ぎした。
それを寸でのところでバックステップすることで躱したソウヤは、再び雪無を巨剣化してリーチの長さで攻撃を仕掛ける。
上から迫り来る刃に対し、深春は刀を構えるのみだ。
―コイツを弾き飛ばすつもりか…!
そう悟ったソウヤは、先ほど感じた馬鹿力を思い出しあながち無理そうでもないことに辿り着いた。
迫り来る刃とそれを待ち受ける深春。
雪無が深春に届けばソウヤが勝利し、深春が雪無を弾き飛ばせれば大きく隙を見せるソウヤは負けることになる。
深春の刀とソウヤの巨剣が今――
「なめる…なぁッ!」
――ぶつかりあう、”はず”だった。
ぶつかり会うはずの雪無の姿が、いつの間にか深春の前から消えていた。
力がぶつかり合った感覚もない深春は、当然のように呆然とする。
慌てて叫んでいたソウヤのいる場所を見てみれば、”そこにソウヤはいなかった”。
―…ヤバイッ!
悪寒が今更に駆け巡り、脳内の警報が鳴り響き深春は思わず背面に振り向き――
「力技だけだと思ったか、暁月?」
――行動する前に、後ろにいたソウヤの拳が深春の腹をえぐった。
それで気を失ったのか、深春の身体中の力が一気に抜ける。
重たくなった深春の身体をソウヤは抱きかかえると、安堵の溜め息をついた。
―危なかった…。
あの時、ソウヤは雪無を振るって深春の刀が当たる瞬間、巨剣化していた雪無を短剣の大きさに変化させ、ある”技”を使って急加速したのだ。
そして背後に移動したソウヤは振り返ろうとした深春のみぞうちを撃ちぬいた。
ソウヤが使ったあ
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