第3章
1節―最果ての宮―
真実
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う、なったんですか?」
アルティマースはクスリと笑い首を横に振った、あり得ないと言うように。
「流石に、全神の半分と世界神の力を得たウィレクスラを倒せる力を持つ元世界神側の神はいません。ですが、そこで」
アルティマースはしっかりとソウヤを見据える。
「そこで、貴方という存在を見つけて…利用しようとしたのです」
「ウィレクスラを倒すために…?」
コクリと、アルティマースは頷いた。
それを聞いたソウヤは首を横にふる。
「利用なんかじゃ、ないです。逆に、ウィレクスラを倒したら元の世界に戻れることを知ったら、きっと俺は闘うことを自らしてました」
「…ありがとう」
アルティマースは嬉しそうな笑みをソウヤに向けた。
ソウヤは、その美貌が笑みに変わるのを見て無意識に顔が赤くなるのを感じる。
その直後、アルティマースは不意に真剣な表情に変化した。
「ですが、今の貴方ではウィレクスラに攻撃を入れることすら不可能です」
「不可能…?つまり、絶対ってことですか?」
そこでソウヤが浮かんだ考えは1つ。
ステータスの差だ。
だが、熾天使であるウリエルを倒すことが出来るソウヤのステータスでさえ一撃入れるのが厳しいとなれば、どれだけのステータスが居るのだろうか?
「確かに、ステータスの差があります。ですが、それ以前の問題なのです」
「それ…以前?」
アルティマースは頷くと、話を続ける。
「私を含め、”神”と呼ばれる存在には、全て神気と呼ばれる特殊な魔力のようなものが漏れています。それを浴びた物はひれ伏すことを本能が呼びかけるほど強いもの。故に、普通の武器ではまず傷一つ入れることすら不可能なのです」
「なら、どうすれば…」
ソウヤはアルティマースの言葉に軽いどころではなく引きながら、そう問う。
アルティマースは側にずっと控えていたウリエルに1つ目配せをする。
「…はっ」
ウリエルは即座に応答して、姿を消したと思ったらほんの数秒で帰ってくる。
その手には杖が大切そうに持たれてあった。
アルティマースは1つ頷くと杖を持ち、杖先を真っ白な床に突く。
まぶしい光が溢れだし、その光は一箇所に集まりだし…1つの扉を象った。
「この扉は、とある場所へと続く扉です」
「とある…場所?」
「はい」とアルティマースは頷く。
「ウィレクスラを倒すため、我ら元世界神側が悟られぬように作り上げた、たった1つの対抗策がそこに眠っています」
「もしかして…」
「はい――」
「――神をも殺せる術が、そこに眠っています」
「それは、普通の人では耐えられぬ物。今の貴方でも、きっと耐えられないでしょう」
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