第3章
1節―最果ての宮―
真実
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外見と異てだいぶ性格は汚いようだ…とソウヤは内心苦笑した。
「そんなものは選択肢になり得ないでしょう?」
皮肉げに、ソウヤは嗤う。
「――元の世界に帰りたい。だから、俺はウィレクスラは倒します」
アルティマースの口元が僅かに上がった。
ソウヤはそれを見て本当に性格が悪い神様だ…と再確認する。
「では、事実を話しましょう…。まず――」
僅かに口角を釣り上げていたアルティマースは口の角度を元に戻すと、真剣な表情でソウヤを見据えた。
「――先ほどの選択肢で気が付いたでしょうが、貴方がたは今のままでは元の世界に戻れません。もっと言うならば、ウィレクスラは貴方を元の世界に戻す気はありません」
その言葉を聞くまでもなく理解していたソウヤは、確認を含めてもう一度頷いた。
それを見たアルティマースは話を続けた。
「まず、ウィレクスラ。彼は”現”世界神ですが、元々の世界神に向けて反旗を翻したのです。そして、彼は多くの神を引き連れクーデターを起こし、世界神を”喰らった”のです」
―神を…喰らう……?そんなことも神は可能なのか…。
ソウヤは、サラリと神を喰らったという言葉を発したアルティマースに軽く引いていた。
それを知っている―と思う―が無視しているアルティマースは話を続ける。
「そして、ウィレクスラはこの世界神の位を持つようになり、全ての神が彼にひれ伏すしかなかったのです。私自身も彼が世界神の座に居座っていることを黙認するしかありませんでした」
「待ってください」
ソウヤは、思わずアルティマースの言葉に口を挟んでいた。
アルティマースはそれに機嫌を悪くすることもなく、「なんでしょう」と静かに聞く。
「…いくら世界神を喰らったとはいえ、流石にいきなりそこまでの座に着くことなんて無茶があると思うんですが」
「彼は、クーデターを起こす際に全神の半分を味方にしていたので…誰も逆らうことは出来ませんでした」
その驚愕を起こす事実に、ソウヤは固まらざるを得なかった。
クーデター、もしくは反乱…もっと言うならば革命。
この全ては少なくとも、人口の半数が味方をするとはソウヤが今まで聞いたこともないことだったからだ。
「そして、あの…事件が起こります」
「それってもしかして――」
ソウヤが最もこびり付いている記憶。
それが浮かんで思わず声を上げる。
それに肯定するように、アルティマースは頷いた。
「――貴方達、合計10万人の大型トリップです」
その時、ソウヤはアルティマースが拳を強く握りしめているのを見た。
「それを知った元世界神側の神達は、流石におかしいと思い始め少しずつ反抗する人が現れていきました」
「ど
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