第3章
1節―最果ての宮―
100層 ―中編―
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した瞬間、ひれ伏すだろう。
これこそが、世界にたった1本しかなかった伝説の剣。
まだ世界が1つだった頃、まだ国が1つだった頃。
その頂点に立っていた国王が持っていたとされる剣。
それが、王剣である。
ソウヤは目を開けると、そこには多少ばかり黄金にて装飾された剣があった。
基本は近衛剣と変わらないが、その黄金だけが大きく変化している。
そして、雪無のグリップをソウヤはつかむ。
王剣と化した剣には、大きな障害の1つとして剣自体の選定がある。
剣を手にしたものにこの剣を扱う資格があるのか、それを剣が見極めるのだ。
もしかしたら、俺にこの剣を扱えないのではないか――。
そんな不安を嘲笑うかのように、雪無はいとも容易く抜けた。
金属の高い音を響かせてその台座から雪無を引き抜いたソウヤは、鞘に雪無を仕舞う。
「これからもよろしく頼む、雪無――」
それに反応したのか是非ではないが、ソウヤには雪無がそれに反応して小さく震えた気がした。
「――きゃぁっ!」
ルビの叫び声が聞こえて、ソウヤは意識を元に戻す。
最後に雪無に触れて――
「行くぞ、雪無…!」
――そう小さく叫んだソウヤは今までとはわけが違う速度でルビに迫る極大の炎の前に立ちはだかる。
そして、今までならどうしようもなかったその炎を見て、ソウヤは不敵に笑う。
どうしてこの炎を――
「――怖がっていたんだろうな」
無音。
無音の間に炎が消え去る。
ソウヤは後ろに居る存在に向けてただ一言――
「待たせた」
――それだけ呟いた。
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