第3章
1節―最果ての宮―
100層 ―中編―
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
位の魔法使いは作り出しているのである。
しかし、複数の物事を考えられる魔法使いはほとんどいない。
魔力のみで、複雑な人体の一部を複製することなど人が出来る芸当ではないからだ。
それを可能としてしまう少数の魔法使い。
それがルビ達高位の魔族…魔貴族と呼ばれる者達と魔王である。
「『重なる雷を纏う氷晶の柱』」
まるでガトリングガンのような速度で結晶のレーザーは次々と撃ちだされていく。
それを見たウリエルは――
「――――――。」
――何かを紡いでいた。
後ろに下がったソウヤは、地面に片手剣ほどの長さになった雪無をストレージに仕舞う。
そして、急いで頭に張り付いている魔法陣を指を噛み切り血で描き始めた。
魔法陣を描き終わると、丁度陣の中心が盛り上がり剣の台座のように形を成していく。
それを見届けたソウヤはストレージから雪無を取り出すと台座に突き刺した。
遠くで、破壊音が鳴り響き続ける。
―ルビ、無事でいてくれよ。
ソウヤは切にそう願うと、準備を進めていく。
結果、ソウヤが作ったのは3つの魔法陣。
そして中央には雪無が、両端には初期の頃にお世話になった薙沙と――
―力を貸してくれ、エルト。
――エルトの剣がある。
この魔方陣は、実はソウヤが最初期…つまり瞬死の森に飛ばされた時からこびり着いていたもので、利用方法も理解していた。
ソウヤは右手を自分の胸に当てると、目を閉じる。
「――我に集いし数多の魂よ。ここに…」
ソウヤの周りに、小さな光の球が浮かび上がる。
この光の球の1つ1つがソウヤが殺し続けてきた魂だ。
「この世界の理をもたらす四属性よ、我が手の元へ――」
魔法の四属性―それぞれに、火・水・土・風―を持つ最も強い魂が集まる。
ソウヤはそれを雪無の側へ移動させると、更に紡ぐ。
「我が友の魂よ、我が手の元へ――」
エルトの魂がソウヤの手に移動し、同じように雪無へ動く。
「この世界に恐怖をもたらした龍の魂よ、我が手の元へ――」
99層にて突如として現れた伝説扱いされていた龍の魂が、雪無の元へ動き出した。
「そして我が魔法…空間魔法よ、我から離れ雪無の元へ――」
ソウヤの胸元から真っ白な光が飛び出し雪無へ集う。
「我、望む。この剣…雪無を至高の剣へと変貌させ給え――」
両端に突き刺さっている薙沙とエルトの剣が光を発し始め――
「――『王の道へ栄光あれ』」
――近くに存在した魂ごと雪無に吸収された。
全ての人がその剣を目に
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ