第3章
1節―最果ての宮―
100層―前編―
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リエルへと雪無を振り下ろす。
そう、ある意味”教科書通り”と言える形で。
ウリエルは”読み通り”の動きをしたソウヤに対し、とっくに動き出していた。
振り下ろす斬撃の軌跡を先読みしてそこから紙一重になるように避ける。
そしてウリエルの読み通りの斬撃をソウヤは行い、いとも容易く避けられてしまう。
その隙を見逃さずウリエルは炎で象った剣を振るった。
炎の剣がソウヤの胸元へ進み、ソウヤの胸を大きく切り裂いた。
ドサリ…とソウヤが地面に倒れ赤い池を作る。
―やったかっ!?
「――やったかっ!?」
ウリエルの内心と同じタイミングで、違うところから同じセリフが重なる。
瞬間、ウリエルは全てを察してびっくりするほど速い反射で大きくバックステップを行った。
その刹那、赤い池を作っていたはずのソウヤが、致命傷を負っていたとは思えないほどの速度で先ほどまでウリエルが居た場所を切り裂く。
自分の予感があたったことにウリエルは自分を褒めると、ソウヤに向けて剣先を向ける。
「身体の半分以上を切り裂いたと…思ったのだがな」
「何故死んでないか…か?」
コクリとウリエルは頷いた。
―どういうことだ、この炎の剣の攻撃力であそこまで切り裂かれたのなら、普通は”あの状態”でも即死なはずだが…
その思想を読んだように、ソウヤは立ち上がる。
そこにはばっさりと斬られた胸があった。
「お前、舐めてないか?俺のこと」
「舐めている…?」
心外だなぁというふうにやれやれとして見せるソウヤは、巨剣化している雪無を握りしめた。
「こいつのこと、忘れんなよ」
ソウヤはそれだけ言うと、先ほどの比ではない速度でウリエルへ近づく。
瞬きする余裕すら無いほどの速さ。
それはもう光速すら超えていた。
ソウヤは同じ剣撃を放つ。
さすがの速さに反応できなかったウリエルは咄嗟に炎の剣を盾にして――
――ゾワッとするほどの寒気に襲われた。
炎の剣にプラスして炎を足し、巨大な盾にすると完全防御姿勢に入った。
――次の瞬間に起こった衝撃に、ウリエルは驚愕した。
予想を遥かに超えたその衝撃。
―まさか、”あの地点”に達しているとは思っていたが…!
巨剣使いの異常っぷりにウリエルは驚愕を隠せない。
なぜなら、今目の前に居る存在は――
――とっくに妖精の限界を遥かに超えているのだから。
出力をかなり上げた炎の盾が少しずつ裂かれていく。
常人では触れるだけで真っ黒の灰になるはずの炎が凝縮された盾が…である。
―ヤバイッ!
ウリエルは盾を放置して全力で後ろへ下がる。
盾はウリ
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