第3章
1節―最果ての宮―
92層―後半―
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さな穴に入れるような繊細な殺気をソウヤたちは感じ取っていた。
背中をソウヤとエルトは合わせると、左手でソウヤに手のひらを見せる。
―5匹…か。
ソウヤはルビに視線をあわせると、左手で3本指を立てる。
2本…1本…遂に全ての指を折った瞬間、周りの木々の間を縫うようにルビの周りから氷結の弾丸が飛び散った。
地面をえぐり取るすさまじい音がして、初めて周りの野生動物は危険を察知して逃げ始める。
それと同時にソウヤは木々の間へその身体を踊らせた。
刹那、黒いナニカがソウヤの首へ狙いその得物を振るう。
その鎌にも似た鋭い刃はソウヤの首をまっすぐ向かい――
「遅い」
――その黒い生物の身体は切り刻まれた。
元の姿すら思い浮かべれないほどに細かく刻まれたその生物は、崩れ落ちた。
そこに立つのは全く無傷のソウヤ。
静かな威圧が出ているソウヤの手に持つのは、この世に10本とも無い近衛剣。
ソウヤはすぐさま雪無を持ち直すと周りに2体は居る黒い生物に向かって突っ込んだ。
―スピードと殺気を殺すことのみに特化してるのか…。
本来なら、この1体でもフルレイドを組まないと倒せぬはずの敵を2体同時に相手にしながら、ソウヤはまるで雑魚を扱うかのように捌いてく。
いや、まるで…ではなく本当に雑魚としてしか見ていないのだろう。
その1分後。
そこには原型をとどめていない切り刻まれた死体が3体、大砲を打ち込まれたような跡が残る死体が1体、1刀両断されている死体が1体だけが存在していた。
迷宮に入ってから
―1年10ヶ月27日13時間57分36秒―
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