第3章
1節―最果ての宮―
92層 ―前半―
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「『氷晶の柱《アルナルド・レーザー》』」
ルビの両手から放たれた高速の氷で出来た柱のような2本のレーザーは、音もなく何のブレもなく2体の魔物へ向かっていく。
その氷のレーザーが当たる…瞬間に魔物たちの姿が掻き消えた。
「ッ!」
ソウヤはその事実にすぐさま反応して、雪無を鞘から解き放つと第六感に従い剣を振るう。
金属がぶつかり合う、独特な金属の音が鳴り響く。
―もう1体はどこだっ!?
ソウヤは危機感を覚えながら、木々の間で一部しか見えなかった魔物の姿を確認する。
その魔物の姿を一番例えやすく言うのならば、”カブトムシ”だろうか。
どの金属よりも鋭利に輝く角を突き出しながら、ソウヤを威嚇するように巨大な足を踏み鳴らす。
―…ということはっ!
ソウヤは嫌な予感に襲われ、今ではサブ武器として殆ど使われることのない薙沙をストレージから瞬時に出し、ジャンプする。
迷宮内はβ時代から有名だったが、迷宮やダンジョンの時には羽は使えないことがわかっているので、空へ行くには力に物を言わせ飛ぶしか無いのだ。
「ぐっ!!」
ソウヤは必死に手が飛び出しそうになるのをこらえ、ギリギリまで薙沙を左手で持ち溜める。
魔法か何かで作られたであろう擬似の太陽を背として消えたもう1体のカブトムシモドキが突っ込んでくるのが見えた。
ソウヤとカブトムシモドキがすれ違う寸前、ギリギリまで貯めておいた薙沙をここぞとばかりに振るう。
肉を斬り裂き、骨を切断する嫌な感触に襲われながらも振りぬいた。
振りぬくと同時に雪無で横薙ぎを行い、カブトムシモドキの身体中から血が噴水のように出る。
それと同時にソウヤは叫んだ。
「ルビっ!!」
「ん」
ルビは溜めに溜めておいた魔力をそれぞれ両手に装着してある籠手に流すと、静かく魔法名を口にする。
「『|雷纏う氷晶連銃(ライデン・アルナルド・ミニガン)』…!!」
ソウヤがいなくなったことを機と読んだのか、ルビに向かい突っ込んできたカブトムシモドキに向け、ルビは全力の魔法を打ち込んだ。
最初に放ったよりも数倍の速さで突き進む無数の氷の弾を、突進するカブトムシモドキが避けられるはずもなく、真正面から食らう。
「キシャアアアアっ!」
目の前で仲間が倒されたことに怒りを感じたのか、身体の大部分を切り裂かれたカブトムシモドキは地面に激突すると同時にルビに突っ込む。
魔法後の疲労感にルビは襲われており、反応に一瞬遅れた。
カブトムシモドキの鋭利な角がルビの腸を切り裂く――
「残念」
――前にカブトムシモドキの身体に1つの剣が突き刺さった。
剣の数秒遅れて、ソウヤが空中から舞い戻る。
そし
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