第3章
1節―最果ての宮―
91層―後半―
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弾き飛ばした。
地面を大きく削りながらソウヤは衝撃を殺していく。
―何となく予想はしていたが…ボスは強化型のコブリンキングか。
衝撃を殺しきると、ソウヤは立ち上がりボスについて思案する。
コブリンキングは余裕の表情で追撃する事は無かった。
―身長は俺と同じくらい。獲物は…妙に太い大剣だな、俺の二倍ぐらいの横幅を持っている。
大剣というより太剣ともいえるその太い大剣をゴブリンキングは易々と片手で持って振り回す。
それだけで離れているソウヤ達にも強風が迫りくる。
思わず目を細めてしまったソウヤは、刹那の間にゴブリンキングの姿を見失った。
―なっ…!!
ソウヤはその事に驚愕すると、すぐさま相手の行動を読みルビに向かってダッシュで向かう。
そこにはもうゴブリンキングの背中が見えた。
「っらあああああああ!」
ソウヤはこちらに注意を向かせるためにわざと声を張り上げると、雪無の刀身を一気に伸ばし突きを放つ。
ゴブリンキングはそれを見ずに避けてみせると、また姿を消す。
その瞬間、ソウヤは第6感が警報をけたたましく鳴らすのを感じてすぐさま絶対盾を取り出し、背中を防御する。
身体が押しつぶされそうな衝撃が次の瞬間襲い掛かった。
「ぐっ…うぅぅぅっ!」
その攻撃をソウヤは受け流すことが出来ない。
自身を守るだけで精一杯なのだ。
だんだん、ソウヤの意識が薄れ始める。
ステータスを見ると、驚愕するほどのスピードでHPが減っているのが分かった。
「ソウヤ…!」
どこかで、そんな声が聞こえて――
「はっ?」
――背中に感じる圧力が消えた。
事態を飲み込めないソウヤは、次にドサリと倒れ込む音を聞く。
その音を探り顔を向けてみればそこには…倒れ込み血を大量に流すルビがいた。
「ルビッ!?」
頭が混乱しているがルビが大変なことになっていることは分かったソウヤは、急いでルビの元へ向かう。
そして、頭を持ち上げ顔を見てみると右目の光は失われ体のあちこちから血が噴き出しているのが分かった。
「何故…?」
「呪い…を受けている、だけ」
呪い。
その言葉の意味を理解するより早くルビは、震える手でソウヤの手を合わせる。
「禁術、を使った…罰」
「もしかして…あの、大量のゴブリンを消し去ったあれか…?」
「そ、う…」
喋る事さえ苦しそうなルビに対して、ソウヤはかなりの熟練度に達している水魔法により傷を回復する。
だが、ルビ自体が回復する気配はない。
「これも…呪い、か」
ルビはこくりと弱々しく頷いた。
水魔法にはデバフを回復するものはあるが、呪
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