第3章
1節―最果ての宮―
91層―後半―
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今までで大体5回ほど見つけてきたその巨大な扉が、10の倍率の階層でないにも関わらず存在している。
それが意味する事、それは”これから1層ごとにボスが存在する”ということだろう。
「91層から難易度格上げとか、ふざけてるな…」
「どう、する…?」
ソウヤは、後ろを振り返ると暗闇の中に続く洞窟を睨んだ後深く溜息を吐いた。
洞窟の暗がりの向こうに魔物がいると危険察知が騒いでいるのだ。
「戻るのはめんどくさくなりそうだ」
「じゃぁ…?」
「いくぞ」
ソウヤの間髪入れないその言葉にルビは微かにうなずくと、目を閉じて集中し始める。
ボス部屋の前にルビが毎回行う、魔力を集めておいて先制攻撃の際の攻撃力を少しでも上げるためらしい。
それを見てソウヤもアイテムストレージ内の整理を行う。
ゲームで良く出るような表示が出るので、整理をしておかないとすぐさま欲しいものが出せないのだ。
その分、アイテムボックスみたいに物質化していないので重たさは感じないのが利点である。
2分ほど経った頃、ソウヤの危険察知能力が「早く離れろ」と叫び始めた。
そろそろかなり離れたところにスポーンした魔物が近くにまで迫っているらしい。
「ルビ、行くぞ」
「ん。魔力はギリギリまで凝縮しておいた」
体内に存在している魔力を一点に凝縮するという事は、達人の魔法使いでも10分ほど掛けないと厳しい。
それをたった2分ほどで凝縮するという事は、やはりルビはすごいのだろう。
といっても、その2分はソウヤ達でいう2時間に相当するので戦闘中は魔力操作などできはしないが。
ソウヤ達はギリギリまで時間を使い準備をすると、巨大な扉を軽々と開いて中に入っていった。
部屋の中に入った瞬間、感じるのは凄まじいほどの濃密度な殺気。
その密度は確実に相手がボスであることを示していた。
緊急察知が働くよりも早く、ソウヤは長年の死闘を繰り返してきたことによって育まれてきた第6感により高速で迫ってきた何かを避ける。
いつのまにか閉じていた扉に直撃して、爆発音が響いた。
「ルビ、出来るだけ慎重にねらえ」
「分かって、る」
ルビはそういうと無言で魔法を構築し始めた。
この高速戦闘の中で呪文を唱える時間などないに等しい。
それでも最高のパフォーマンスを発揮できるのが、現ソウヤの相棒であるルビだ。
ソウヤは地面を大きく踏み込むと、攻撃してきたボスに向かって一直線に吹き飛ぶ。
その速度に地面の石ころは吹き飛び凹凸はなくなり、反対に衝撃によりクレーターが出来る。
凄まじいほどに早い速度にボスであろう魔物は反応すると、ソウヤの斬撃を受け止めそして――
「ッ!!」
――
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