第3章
1節―最果ての宮―
91層―後半―
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を聞き、ソウヤはすぐさま今までの戦いで付いたかすり傷を癒す。
6…7…8…。
ゴブリン達が壁を壊して、ソウヤに凄まじく濃い殺気を向けながらそれぞれの得物を振るう。
それをソウヤは元々準備していた水魔法で激流を生成して流そうとする。
しかし、数瞬ゴブリン達は揺れたがそんなものは聞くはずもなく、さらに進軍を開始した。
その数瞬の内にソウヤは雪無に青白い炎を纏わせると、大剣化+肉体強化を施す。
そして、目の前に迫るそのゴブリン達に向かって…そのまま大剣を一閃。
目の前にいた3匹とも一瞬にしてこんがり焼けた。
9…10…11…12…。
「まだかっ!」
「もう…ちょい…!!」
13…14…15…。
始めは何とか耐えきれていたソウヤだったが、徐々に後ろに下がり始めていた。
16…17…18…19…。
不意に、洞窟の凹凸とした地形がついにソウヤに対して牙をむく。
「――ッ!!」
ずっと戦い続けていたことで身体が消耗しきっていたソウヤの身体が不意に傾く。
そのまま身体は重力に逆らわず地面に倒れ込む。
―ヤバイ。
この高速戦闘の中でこけるという事は、つまり――死。
―ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイッ!!
即座にソウヤは立ち上がろうとするが、消耗しきった身体はうまく立ち上がらない。
それを見てルビも焦り始める。
―早く…早く…ッ!
―クソがっ!
――20。
「ソウヤ…!」
ルビはその右目に限界まで集めた魔力を今…解き放つ。
「『暗闇の瞳』…!」
そう唱えた瞬間、右目がルビーのような赤き瞳から…闇より深い、漆黒の瞳へと変化した。
その漆黒の瞳がゴブリンを見据えた瞬間…総勢17匹ものゴブリンが何かに吸い込まれていく。
ソウヤがあれだけ苦労したゴブリン達が、一瞬にして消え去ったのだ。
「なっ…!」
ソウヤ自身もこの現象は初めて見たようで、目を大きく開いている。
ルビはその右目を綺麗なルビーに戻すと、急いでソウヤの元へ向かう。
そして、ソウヤが無事なのを確認すると安心したように地面に座り込む。
「よか…った」
「なんとか…生き残れた」
2人とも、それぞれ気力を使い果たしたようでいつもより多めに休憩を取る。
この後、ソウヤが「あの目は?」と聞いたがルビは話したく無さそうに首を振るだけ。
それを見て追求しようとはソウヤはしなかった。
「ルビ、これをどう思う?」
「…ボス、部屋?」
目の前に存在する巨大な扉をソウヤ達はうんざりとした目で見ていた。
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