第3章
1節―最果ての宮―
91層―前半―
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闘はもう慣れてしまっていた。
逆にこのスピードでないとかなり遅いと感じてしまうほどである。
ぶつかり合う剣をソウヤは滑らせることで攻撃から避けると、振り向いていたルビの邪魔にならないように横に回転する。
「『氷飛刃』!」
複数の――ではなく少し大きめの1つの氷の刃がするどく骸骨を狙い、そして貫いた。
「――ッ!!」
骸骨が無声の叫び声を上げるが、背後に迫る殺気に気が付いてか振るわれる剣を避ける。
が、しかしソウヤはそこには居らず落下した雪無のみ。
「ここだッ!」
ソウヤは骸骨の頭上からそう叫び手に持つ薙沙で骸骨を一刀両断せんとする。
しかし、叫んだのが悪かったのか骸骨はそれに瞬時に反応すると紙一重で避け名剣でソウヤに向かって横薙ぎ。
迫り来る刃にソウヤが驚愕の表情を見せ――ニヤリと静かに嗤った。
「『氷刃』」
骸骨の背後から凄まじい魔力の密度を持つ氷の剣が振るわれ、一瞬にして骸骨を真っ二つにした。
「――…―。」
骸骨は口を数度カチカチと鳴らすと地面に倒れる。
7秒ほどの戦闘は、これにて終了したのだ。
「はぁ…。相変わらず心臓に悪い」
ソウヤは緊張の糸がとれたように尻餅をつくと、大きくため息を付いた。
「敵、かなり強くなってる…?」
ルビのその言葉にソウヤは「あぁ」と短く答える。
たとえ雑魚のうちに入るとはいえそれでも上級魔族、または将軍魔族の強さを誇っているのだ。
ソウヤたちがチートクラスと言っても、相手側もチートクラスならば緊張もする。
強者同士の戦いだからこそ、その分戦ったあとの安心感はとても大きい物だった。
「にしても、かなり敵側が頭が良くなってきているな」
「うん。私をしつこく、狙ってきた」
この迷宮は普通の迷宮とは違い、敵がスポーン…つまり生まれる感覚が長い。
それゆえ、1分ほど休憩しても全然問題ない。
なのでソウヤたちは1戦ごとに小休憩を入れることにしている。
「…さぁ、いくぞ」
「うん」
ある程度体力が戻ってきた頃に、ソウヤたちは再び進むことを始める。
暗い洞窟が故に、その道程は長く感じられた。
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