25部分:第二話 張三姉妹、太平要術を授かるのことその十二
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い人材なのは間違いありませんわね」
「謀反の心配もないかと」
次にこのことについて話すのだった。
「そうした野心は見受けられません」
「しかしそれでもですわね」
「はい、問題はです」
審配の顔が曇った。
「それではありません」
「何故この世界に来ているかですわね」
「その通りです。それがわからないのです」
問題はそれなのだった。
「彼等の話によりますとこの世界とは別の世界から来た」
「そんな世界がありますのね」
「そのこと自体が信じられません」
審配の言葉はまた怪訝なものになっている。
「世界が複数あるのでしょうか」
「わかりませんわ。華琳、いえ」
ここで言葉を訂正させた。
「曹操のところにも何人か来ていますし」
「そうですよね。なぜここで急に何人も出て来たのでしょうか」
「これまでなかったというのに」
彼等はとにかく今の状況が理解できなかった。
「どうしてでしょうか」
「全くわかりませんわね。ただ」
ここでさらに話す袁紹だった。
「彼等自身もわかっていませんし。これからのことは」
「はい、これからは」
「まずは彼等はそのまま迎えますわ」
そうするというのである。
「このまま」
「はい、それではその様に」
こう返す審配だった。話はとりあえずはそれで終わった。
だが謎は解き明かされはしない。そのまま残っていた。そしてそれを解くことは今は誰にもできなかった。だが大きなうねりが生じ続けていた。それだけは間違いなかった。
第二話 完
2010・3・22
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