第3章
1節―最果ての宮―
剣士
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
覚がソウヤは感じた。
「いいかい。腰に刺すとその分抜きやすくなるが、左に重心が行きやすくなる」
「それを踏まえて戦えと…?」
青年は頷いた。
ソウヤは今までとは違う違和感を感じながらも、それに従うことにする。
なんとなくだが、青年が嘘を付いているようには思えなかったのだ。
「さぁ、始めようか。剣士同士の戦いを」
「…礼は言っておく」
「気にしないでいいよ、これも”我が主のお願い”だからね」
その言葉にソウヤは疑問を持つが、完全に戦闘態勢に移行している青年を見て聴くのは無理だと判断する。
そして、腰にある剣を両者手に掛ける。
そして――
「「…!!」」
――刹那のうちに5回も剣が交わった。
ソウヤはあまりの鞘の抜きやすさに驚愕を隠せない。
青年も思った以上の実力に驚きを隠せないでいた。
―こいつ、強い…!
ソウヤと青年、どちらもそう至るとさらに剣を交える。
青年が右に持つ青く光る剣をソウヤに向かって突く。
しかし、ソウヤはそれを確実に音もなく滑らすとそのまま青年に向かって突きを放った。
そのカウンターに青年は左に持つバックラーで受け流すと互いに離れる。
この間、0,1秒にも満たしていない。
普通の人には何もしていないように見えるのだろう。
音も火花も1つも出していていないのだから。
―聞いていたよりずっと、強くなっている。この少年は…!
―思っていたよりかなり強い。近衛剣じゃなきゃ死んでいた…!
互いが互いを心のなかで褒め合うが、絶対に声に出さない。
声を出す余裕など無いのだから。
次に動いたのは、ソウヤはだった。
コンマより短い間でソウヤは青年に近づくと、突く。
それを紙一重で躱した青年はそのままソウヤの背後に回りこみ、バックラーで打撃を放った。
「ぐっ…!」
ソウヤは無理やり身体を動かすと、浮かび上がっている右脚を強制的に地面に叩きつけるとバックジャンプを行った。
なんとかバックラーの一撃を避けたソウヤは、そのまま距離を開ける。
―剣1本だと圧倒的に手数が足りない…!
ソウヤはそう思うと、将軍剣である薙沙を取り出すと左手で持つ。
現在、雪無よりかは弱くなってしまっている薙沙だが村で、材料を売っては買って融合を何回か行っているので、かなり強力化されている。
もうほとんど近衛剣と言って良いほどだ。
―2刀流にしてきたか…。厄介だな。
青年はそう思うと、一気にソウヤに近づいて横薙ぎを行う。
ソウヤはそれを屈むことでしっかりと避けると、薙沙で上段に切り上げる。
それを青年はバックラーで受け流し、手に持つ剣で下に向かって突いた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ