第3章
1節―最果ての宮―
近衛剣
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――やっと…か」
ソウヤはそう言うと、ふっと力を無意識に抜いて地面に尻をつく。
そして明らかに雰囲気が変わった剣を見て思う。
―敵が強くなってきて苦しくなってきたからルビの戦力の把握のついでに剣を強くしようとして、そして結局ランクアップしたのは8ヶ月かかったわけだな。
正直なところ、この迷宮自体は最近以外で言えばソウヤがドンドン進んでいく気になれば1週間に1層のペースで登れるはずなのである。
だが、時間の半分以上を十分な休息と自身の特訓でかけていたせいか、この層まで来るに1年もかかったわけなのだ。
「…でも、これでやっと、ノルマクリア」
「あぁ。まさか5回もお前の最強の攻撃力を持つ攻撃をもらわなければいけないとは思わなかった」
「一応、ランクアップに必要な、魔物の血は…1週間前に終わっていたから…」
70層以来、あれからいろいろと考察したソウヤは、この雪無の恐るべき能力であるラックアップは条件が3つあることを発見した。
1つ目は魔物の血を十分吸わせること。
こちらは毎日のように数えるのがイヤになるほど狩っているソウヤは、この条件を苦にしなかった。
2つ目は使い手が十分な能力、技量を持っているか。
これも能力は元々妖精最強と謳われてきたソウヤには関係なかったし、1年間王神級の剣術を使って剣を学んでいたためそれも必要なかった。
3つ目、これがいままでのソウヤではほとんど無理に近かった。
”必要量の魔力を吸うこと”である。
当然、その魔力は使い手ではなく他人、または魔物から奪った魔力のみだ。
普通なら魔物の血を吸わせると同時に少量の魔力も吸うが、ほんの僅かなので非常に長い時間が必要である。
他に魔法を受けることで魔力を吸う事ができ、こちらは効率は普通というところだが、それでもランクアップには何十年かかるかわかったものではない。
そして、ソウヤ独自の方法が『属性向無』を使った方法で、こちらは100%の魔法の魔力を吸い取ることが出来、これにより|将軍剣(ロード・ソーガ)になった。
そして、今回将軍剣からランクアップするのに必要だった魔力は、妖精の中で最強レベルの魔法の使い手であるルビの最強魔法の約5発分だ。
あの70層の謎の女の光の槍10本分くらいの魔力があの雷を纏う氷のレーザーはもっているはずなのだ。
―…これでやっと、将軍剣から近衛剣になったわけだ。
元々、将軍の剣というのは飾りが多量に付いたものが多く、王などを守る近衛騎士が使う剣よりかは劣っている。
その事実の通りにランクアップしていくと、結果的に将軍から近衛の剣に変わるわけなのだ。
その証拠に、ソウヤの知っている雪無はもう存在していなかった。
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