第3章
1節―最果ての宮―
望むもの
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―『亡霊開放』の副作用がもう治っている…?
いつもなら目覚めとともにひどい脱力感と吐き気、頭痛もろもろの体調が悪くなるものだが、なぜか今回の目覚めは普通…否、とても良い。
いつの間にか溜まっていた疲労が一気に抜け落ちた感覚がするのだ。
「考えられるのは…あの女、か」
ソウヤは、自身の身体の筋肉を掴んだりして劣っていないか見てみるが全然劣っていない。
1,2日程度しか眠っていないようにこの体の状態から思える。
つまり、ソウヤの体調を直した奴がいるのだ。
なら、ソウヤの体調を直したと考えられれるのは非常にレベルの高い治癒術を持った誰か。
そしてこの迷宮は人はまずこの階層まで降りられない。
それを踏まえた上でソウヤが一番最近人らしきものと遭遇したのは…先ほど戦った女性としか考えられないのである。
ソウヤは静かに舌打ちをした。
全力で戦い、負け、その上治癒術を施すという行為はソウヤ…否、戦うものとして屈辱の他に何者でもない。
―絶対、次会ったら倒す。
何故か、あの女性とまた会うことが出来るとソウヤは確信していた。
「その前に…さっさと次の層へ行かないとな」
ここはボスが存在している間は普通の魔物が近寄ることは出来ないが、ボスが居ない今なら普通に入ってくるはずである。
しかし、ソウヤが昏睡している間魔物の被害に合わなかったのはやはりあの女性のおかげなのだろう。
―いつまでも、あの女が作ったと思われる魔物よけがあるとは思えない。さっさと次の層に行くに限るな。
ソウヤはそう心のなかで結論付ける。
そして、床に転がっているはずの自身の相棒たちを回収しようと、まず真下に落ちている雪無を撮ろうとしたところでソウヤは固まる。
「なんだ…これ」
ソウヤの目の前に合ったのは、今までの雪無とはまるっきり雰囲気の違う長剣だった。
今までの原型をそのまま受け継いでおり、今までと違うところは普通の冒険者が見れば一瞬で失禁出来そうなほどの威圧と、そして刀身に見える赤い十字架。
そして刀身と鍔に刻まれた金色の文字、最後に鍔の中心に赤い宝石があることである。
―まさか、あの女の数十もの光の槍を吸収したから『敵の血肉を食らう』という条件に匹敵したのか…?
しかし、思わなかった戦力の増強にソウヤは喜ぶ。
「…にしても、こんなに早く雪無が|将軍剣(ロード・ソーガ)になるとはな」
それだけあの女の魔法が強かったということだろうとソウヤは結論付ける。
それとともにその女性の本気と同等の強さを持つ100層のボスとは何だと恐怖した。
―…強くならないといけないな、もっと。
100層のボスに勝てるのかという不安をソウヤは
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