第3章
1節―最果ての宮―
決意
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上がるということは即ち、魔剣の域を超えるというのを意味するのだ。
魔魂剣は強くなるが、それでも魔剣の域を超えることは不可能であるが雪無はそれ以上の攻撃力を持つ可能性があるのである。
「おし、行くか」
ソウヤは小さくそうつぶやくと、魔物の巣窟である薄暗い洞窟の中を歩き出した。
50層を突破してからの迷宮の中は酷く広く、未だにマップを覚えるのにソウヤは苦労している。
しかし、何回か入ったことである程度は覚えられるようになったのか少し迷いがあるなか、2つに別れた道を歩いて行く。
そこで、まるまる太った二足歩行をする豚…つまりオークにソウヤは出会った。
通常のオークは序盤で少し厳しい相手であるが、中盤に入ると完全な雑魚と化す…という設定だが、この迷宮ではそのオークのレベルが違うのである。
オークエリートとソウヤは呼んでいるが、その強さはエリートの名にふさわしい。
一体一体が中盤での上位装備を着込んでおり、その手に持つ武器は下級とはいえ魔剣や魔槍を持っている。
一体の強さは確かにリザードマンエリートに劣るが、しかしオークはそれを上回る強さを持っていた。
それはつまり…常に2,3匹が集まり集団行動を取っているのである。
―剣型と槍型に…っち、僧侶型か。めんどくさい集団に合ったな……。
当然のごとくオークは手に持つ武器や武具はそれぞれに違い、ソウヤは剣を持つものを剣型、槍を槍型…という風に読んでいた。
今回出くわした集団のオークは攻撃力がある剣型にリーチのある槍型、そして回復役である僧侶型がそろっている。
相手にするには苦戦しかねないクラスだと言えた。
「はぁっ!」
ソウヤは短く気合を入れると、一気にオークの集団に向かって駆け出す。
狙うは僧侶型である。
剣型がソウヤに向かってその剣を振り下ろした。
それをソウヤは雪無を滑らして剣の軌道を変え、そのまま前に転がり込んだ。
後ろでブォンッ!!という凄まじい風をきる音が鳴り響くが、ソウヤは関係なく僧侶型に突っ込む。
「『エクル・ドーガ』!!」
僧侶型が低く醜い声で、そう叫ぶ。
すると、光の矛が出現してソウヤに向かい飛んで行く。
「ッ!!?」
ソウヤはまさか攻撃魔法を持っているとは思わなく、咄嗟に斜めにステップするが少し遅かったようだ。
ソウヤの肩から鮮血が舞った。
「っら!」
ソウヤはしかし、僧侶型の懐に飛び込むことに成功して雪無を腹にぶっ刺した。
「ガッアァ……」
僧侶型は小さく血を吐いて、前のめりに倒れ込もうとする。
ソウヤはそれを素早く支えて、雪無を刺したまま仰向けに倒れさせた。
すると、徐々にオークの身体が干上がっていく。
「ガ
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