第3章
1節―最果ての宮―
50層
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、その攻撃を大剣で防御してみせる。
その大剣も、相当業物のようで『地獄炎剣』を纏った黒鏡破を楽々と防いでいた。
―ここまでの業物…魔剣クラスだろうな。レベルにしてみたら上級ぐらいだろうか?
上級魔剣…そのクラスは魔魂剣や恐電と同じぐらいのものだ。
ちなみに黒鏡破は中級、サイレンは下級である。
更に言えば、魔魂剣は敵を倒せば倒すほどその威力を増し、恐電は特殊能力である雷を使えるように、そして強化する。
黒鏡破はものすごく頑強で、折れることもなく刃こぼれもすることもない。
サイレンは水魔法を使えるように、そして強化するだけなので下級なのだ。
―魔魂剣か恐電を使ったほうがいいだろうか…?
そう、ソウヤは思ってすぐに考えを改める。
まだここは50層であってここでもう魔魂剣や恐電を使っていたら、この先が思いやられるというものだ。
だから、命を危険が本当に迫るまではソウヤは使わない。
「っち」
ソウヤは小さく舌打ちをすると、鍔迫り合いをやめてすぐさま後ろに下がって構えた。
リザードマンロードはそれに嗤って、何か喋ったあとにその大剣に何か込められるのをソウヤは見る。
目に見えない何か…それがわからずソウヤは警戒した。
「ガルァ!」
リザードマンロードは気合とともにソウヤに向かい、隙のない攻撃を行う。
ソウヤはそれを逸そうと黒鏡破を滑らせた瞬間――
「…ッッ!?」
凄まじい音がしてソウヤはふっとばされる。
ソウヤは地面に何度かバウンドし、背中からおもいっきりぶつかってゴキッ!という嫌な音がした。
―っぐ…。背骨が逝ったか…!
凄まじい痛みがソウヤを襲い、動けない。
水魔法で回復しようと試みるも隙を見せることになりアウトである。
まさに万事休すであった。
―あいつ…希少能力なんて持っていたのかっ!
先ほどの凄まじい音と、強烈な風と熱から考えるとあれは爆発系の能力なのだろうとソウヤは思う。
「ぐっぅ…」
ソウヤは身体に力が入らず、リザードマンロードはそれに気付きニヤリと嗤ってソウヤに近づいてくる。
迫り来る恐怖にソウヤは小さく震え始めた。
それに興奮するのをリザードマンロードは止められない…だから――
「……ガ?」
――自分の腹に突き刺さった凄まじい熱量を持った蒼い炎を纏う巨大な刀に気付くことができなかったのだ。
「ガッフ……ッ!」
そして、リザードマンロードは自らの油断が招いた死に後悔しながら…その生命を終わらせた。
ソウヤは、その手に持つ巨刀化した黒鏡破を片手で持ちながら小さく笑う。
「油断…してるからだ、よ。
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