第3章
1節―最果ての宮―
50層
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れず返す刃で心臓を切り裂いた。
リザードマンエリートは呻いて地面に倒れる。
「ガルァッ!!」
仲間の死に怒りを覚えたのか、一段と大きい叫び声を上げてソウヤに突っ込んでくる。
その凄まじい威圧にソウヤは一瞬怯み…その一瞬が命取りとなった。
「ぐっ…!?」
ソウヤは咄嗟に後ろにステップしたものの、腹を深めに斬られた感触がして一気に腹が熱くなった。
その熱さに悶えながらもすぐさま腹の傷口をくっ付けると、その切り口はすぐに治る。
この現象は、その得物が鋭いからこそできた芸当であった。
生き物の身体は細胞で出来ており、そこに傷口が出来るということは細胞が真っ二つになったり、離れ離れになるということだ。
しかし、あまりに鋭いものでその細胞が真っ二つになったり離れ離れになると、それを理解するのには一瞬だけ時間がかかるのである。
そして、その一瞬に傷口をくっつければ自己的に凄まじい治癒が開始され瞬時に治ってしまうのだ。
ソウヤは未だに腹が少し熱いのを感じながら、再び黒鏡破を構えてもう1体のリザードマンエリートに向かい突っ込む。
そこから出された攻撃をリザードマンエリートは軽々と避けて、カウンターを仕掛けてくる。
「『業火剣』」
ソウヤはその刀に凄まじい熱量を持った赤き炎を纏わせると、そのカウンターを避けてリザードマンエリートの腹部に向けて突いた。
そしてその業火を纏う黒鏡破を上に切り裂く。
「……」
リザードマンエリートは呻く暇もなく、口をパクパクして死んでいった。
ソウヤはすぐさま後ろに下がると、黒鏡破に付いた血を払ってリザードマンロードに向けて構える。
「ガルァッッ!!」
仲間を始まってすぐ殺された怒りで、リザードマンロードは喚く。
ソウヤはそれに答えるように、静かな声でつぶやく。
「……最後はお前だ」
瞬間、リザードマンロードがソウヤに対し攻撃を行った。
凄まじい早さの上段斬りである。
それを出来るだけ小さく避けると、ソウヤは横薙ぎをリザードマンロードに対して行った。
リザードマンロードはそれを楽々と後ろに下がることで避けてみせる。
だが、ソウヤの狙いはリザードマンロードを下げることであった。
ソウヤはもう一度黒鏡破を構える。
「…『地獄炎剣』」
『業火剣』より、一段階威力の高い『地獄炎剣』をソウヤは使用して蒼い炎をその黒鏡破に纏わせる。
「『雷光瞬《ライデン・ストル》』」
一瞬だけだが、凄まじく自身の速度を上げてくれる雷をその身に纏い、一気にリザードマンロードに向かって突っ込んだ。
リザードマンロードはその驚くべき身体能力を使い
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