第2章
3節―始まり―
霊薬
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ていた。
「…霊薬の作り方を知っている人は?」
「いるよ。今エミアのベッドの横に座って看病している」
確かに、エミア―第三王女のこと―のベッドの横に1人の女性の老人が水魔法をかけ続けている。
ソウヤは頷くとその女性に近づく。
女性もソウヤの存在に気づいたのだろう、こちらに顔を向け驚いた顔を見せる。
「へぇ…アンタが霊葉を持っている人かねぇ。まだ若造じゃないか。本当に持ってるんだろうね?」
そのソウヤを疑う声に、ソウヤは微笑んで頷くとストレージから霊葉を取り出してみせた。
銀色に光る葉…それが霊葉である。
それを見ると、老人は大きく眼を開きそれをよく観察した。
「確かに…私が見た霊葉と同じさね」
どうやら本人も霊葉だと認めたらしい。
老人はソウヤをじっと見つめると…眼の色が黄緑から一瞬で紅に染まった。
そして…数秒後、老人は非常に面白い顔をして「どひぃあ!」と驚く。
「ど、どうしたんだい?婆さん」
「どうしたもこうしたも!何なんだいコイツっ!バケモノじゃないかっ!!」
老人の声にミラジュは「どれぐらい強いんだい?」と伝える。
その問いに老人は慌てながら叫ぶように伝えた。
「二つ名が3つもあるし希少能力も4つもっ!ステータスもすべて10万ごえ!?将軍魔族を2体相手にできるのも…納得さね」
老人は最後につかれたようにそう言うと、ヘナヘナとベッドに腰掛けた。
ミラジュもそのソウヤの規格外さに驚いている様子だ。
しかし、ソウヤも驚いていることがあった。
希少能力という単語を知っていること、そしてなによりステータスが詳細までバレたことである。
「待て。なぜ老人、あんたはステータスを?そういう希少能力か?」
「ん?あぁ、そうさね。ただ希少能力ではなくて特殊能力じゃがね」
「じゃあなぜ希少能力、特殊能力という単語を知っている?」
「だって、わたしゃあトリッパーじゃからの」
ソウヤは納得したように、ため息をついた。
この目の前の老人がトリッパーだったらすべてのことがわかるというものだ。
「じゃあ、早速始めるぞ。時間は大丈夫なんだろうな」
「あぁ、あと少なくとも5日はあるからね」
「どれぐらいで調合できるんだ?」
「霊薬自体、1日もすれば完成するよ。霊薬の素材の霊葉だけが入手困難なだけだからね」
ソウヤは「わかった」といってその調合を始めた。
それと同時刻…1つの軍団が、最大の脅威として1つ…また1つと村や集落を潰していく。
それが王都に伝わるのは…まだ先のことである。
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