第2章
3節―始まり―
兵士の願い
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まったのだ。
−俺が…つ
そこまで考えたところで何か、鋭い殺気をソウヤは首筋に感じた。
何かが迫る音…空気を切り裂き1つの終着点へと向かうこの小さな音…それをソウヤは殺気とともに感じ取ったのだ。
「っ!?」
瞬時にソウヤは殺気の迫るほうへ体を向けてすさまじい反射神経で、首筋を狙ったナニカを右手で受け取った。
それは伝統ある日本の中の武器の1つで、良く外国人が勘違いをして日本人のネタとなった者が使っていた武器…すなわち”クナイ”である。
「ク、クナイ!?」
こんな世界で見るとは思わなかったその特殊すぎる武器にソウヤは一瞬、呆けた顔をした。
しかし、それも一瞬のことである。
凄まじい殺気にもう一度あてられたソウヤの行動は早かった。
メインスキルを街を破壊してはならないため戦士に変更し、黒鏡破をアイテムストレージから出現させると窓から外に飛び出す。
そして殺気が送られる場所に向かって、高速でクナイを投げ返した。
クナイが投げ込まれた場所から、突如黒い人物が飛び出し屋根に飛んで逃げ始める。
「なんだあいつ…?」
そう言って、ソウヤはあきれ果てたのか宿に戻ろうとしたとき、ナニカ嫌な予感が突如背筋に大きく襲った。
瞬死の森に何ヶ月もいたからこそ培った第六感が、警報を大きく鳴らしているのだ。
「っち!!」
ソウヤは大きく舌打ちすると、黒鏡破に水をまとわせ後ろのナニカに攻撃を行った。
強烈な熱風が吹き荒れ、ナニカが急速に蒸発していくのをソウヤは感じる。
そう、その目の前の真っ赤なレーザーのような超密度のエネルギーが急速に冷えると…どうなるかは言わずもがな。
「ドルチェ・セル!!」
ソウヤは咄嗟に土魔法の壁を急速展開すると、土壁の中からすさまじい音が聞こえるのを聞いて背筋がぞっとするのを感じた。
周りが騒がしくなっているのを気にせず、先ほどの高密度のエネルギーレーザーを放ってきた張本人を探す。
「…! 次は何だ!?」
次は左右から殺気を感じ、ソウヤはその場からバックジャンプで飛び退く。
そのままこっちに向かってくる黒いマントを持った人が2人。
それぞれ、得物は剣と槍のようである。
ソウヤは舌打ちをすると、黒鏡破を構えた。
―こんなところで人を殺すのは流石にまずい…。やるとすれば峰内…か。
ソウヤは刀を反対に持ち直すと、剣持ちに向かって突っ込んだ。
剣持ちはそれに対応して、上段に構えてソウヤに向かって切るが、それをソウヤは懐に飛び込むことで回避。
そして剣持ちとすれ違う瞬間に、峰内を腹に叩き込む。
「っ…!?」
剣持ちはそれで意識を失った。
ソウヤは驚いている
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