第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族2体
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そして、それを置いてまで存在感を発するソウヤが左手に手にしている剣…牛魔族がかつて使っていた魔剣、『恐電』。
黄色で染められたその魔剣は、常に雷を発しておりその魔剣の効力を思わせる。
牛魔族を主人とし、その”力”一部でも持つものでないと受け入れないその魔剣は、『亡霊解放』でソウヤを新たな主人と認めた。
そして…その力は多くの魔物の血を吸い、肉を絶ち成長を続けてきたレジドには及ばないが、圧倒的なものであるのは確かである。
「いくぞ…!」
そして、牛魔族最強の技をソウヤは今使える。
ロウはソウヤに向かい飛び出そうとしたが、その身体が硬直しているのに気が付く。
そう…牛魔族最強の技にして牛魔族にしか使えなかったはずの技…すなわち――
「ガアアアアアアアアアッ!!」
――『硬直全破《レークレフド・スミセルガ》』である。
そしてソウヤの手から巨大な火魔法が放たれた。
それと同時にソウヤも動く。
将軍魔族がこの程度の攻撃で負けるはずがないからだ。
ただ、決めるのなら次の一回が限界だろう、さきほどの技は多くの力を使いすぎるのだ。
クレーターの底から浮き上がる土煙の中から1つの影が飛び出した、当然ロウだろう。
それを予想していたソウヤは、技を完成させていた。
「『狂雷恐電剣《カッズボル・クーズテット・ソーガ》』!!」
左手に持つ魔剣に巨大な雷を纏わせ、ロウに向かって放つ。
その攻撃にロウは大剣と化した武器でその攻撃を容易く受け止めて見せた。
「そんな攻撃で「倒せると思ってねぇよ」」
ロウがそういった言葉を先読みして、さらに否定したソウヤはラストアタックを決めるべく右手に準備していたレジドで突く。
その攻撃に思わず大きくバックステップしたロウは、ソウヤをみてその失態を知る。
「行くぞ…!『雷電獄蒼炎刃』!!!!!!」
2つの魔剣を合わせて出来たソウヤが今出来るであろう最強の技…。
地獄を思わせる巨大な蒼炎の剣に眩しくて目がつぶれそうなほどに白い雷がそれを纏い、強烈なパワーを生み出していた。
ソウヤは叫ぶと、2つの魔剣を一気にロウに向けて振るう。
――辺り一面を全て焼野原としたその攻撃を食らったロウは、当然のごとく塵さえもその場には残っていなかった。
「はぁ…はぁ…」
ソウヤは今までにないほどの疲労に見舞われながら、その意識を失った。
ソウヤ一同の活躍により、ガルフ全土を震わせた大軍は全滅したのである。
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