暁 〜小説投稿サイト〜
グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族2体
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 シンクは短くそう言うと大剣を下から上に振り上げ、そこから自由落下と回転を混ぜて後ろのソウヤに攻撃をした。
 しかし、ソウヤの持つレジドは容易く裂かれてソウヤ自身も真っ二つに裂かれる。
 瞬時にそれを幻だとシンクは理解するとどこにいるか目を左右に動かす。

「シンク!上だ!!」

 ロウの声が聞こえシンクは咄嗟に上に大剣を突き上げる。
 上から降ってきたレジドと重なり合い、レジドは落下を止めた。
 しかし、そこにはソウヤは居ない。

 シンクはその事実に着きつけられるのと、ソウヤが背中を巨刀と化し、その刃に地獄の青い炎を纏った黒鏡破で切り刻むのは同時だった。

「がぁあああっっ!?」

 後ろから不意打ちのように攻撃された訳の分からなさと、痛みに二重の悲鳴を上げるシンク。
 ロウが急に現れたように見えたソウヤを攻撃せんとその剣をふるう。
 しかし、ソウヤはそれをジャンプすることで回避すると落下していたレジドを拾い少し離れて着地した。

 これで大きくダメージは与えられたはずだ…とソウヤは思う。
 そして、この瞬間ソウヤは本気の本気…すべてを出すことを心の中で意味不明に誓った。

 小さく、しかし確実にその呪文を唱え始める。

「『我、強き者。我の導きに答えよ。我、弱き者を守る者。我の言葉に答えよ。我…』」

 その呟きはシンクとロウには聞こえていないようで、また静寂を待つのだろうと踏んでいる様子だ。
 それにソウヤは賭けるしかなかった。

 しかし、最後の言葉ら辺になってくるとシンクとロウはその異変に気付き始めて…遅すぎる事もない攻撃を始める。
 ソウヤは心の中で小さく舌打ちをするとその場で言葉の速さを変えることなく呟き続けた。

 微妙に身体を動かして傷を小さくしているが、たまに直にダメージが入る。
 続々とHPが減っているのを感じているソウヤだが、急に笑みを浮かべるとただただ、叫んだ。

「『力を貸せ亡霊! 『亡霊解放《エレメンタルバースト》!』」

 そのいきなり暴発する力に、一気にロウとシンクは吹き飛ばされる。

「なんだっ!?」

 その急激に増していく力にシンクは悲痛な声をあげる。

 そしてソウヤを中心として広がっていた土煙が、一気に消え去った。
 それと同時にシンクは何か身体に何かが足りない感覚に襲われ、思わず足りない部分に手を当てようとして…気付く。
 ”自分の下半身が真っ二つに切裂かれているのだ”と。

「――――かはっ…!」

 小さく、そう口から大量の血を吐き出してシンクはその命を散らした。

 そのシンクの5mほど離れた場所に立っている者が一人…そう、ソウヤである。
 その手は毛に覆われており、額からは角が2本。

 
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