第2章
2節―運命が許さない旅―
将軍魔族2体
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「隠れていたのか…?どうやって?」
その問いにソウヤは無言でにやけ顔を作る。
ソウヤが行ったことは簡単だ。
月文字魔法で盾を偽造した後、同じ月文字魔法でその姿をかき消したソウヤは身を潜めて、盾が斬れたと同時に攻撃したのである。
しかし、あまりにもその装甲が固いせいで全力ではない攻撃ではそこまでダメージが入らなかったようだ。
シンクが何も感じて無さそうにソウヤを見て考えているのが、その証拠である。
「…っとに、なんでいつもあれを使わなきゃ行けないかな……」
あれとはつまり、『亡霊解放』のことだ。
強敵に会ってしまうとワンパターンになりがちだが、それも仕方のない事ことである。
下手に出ると死ぬのがリアルなのだ。
といっても、ソウヤには今すぐ『亡霊解放』を使える状態とは言い難かった。
『亡霊解放』を使うのに当然時間制限が付き、その効果がなくなると一気にソウヤは弱くなってしまうのだ。
時間の制限的に倒せるのはギリギリ1体ともう1体の半分ほど。
つまり、シンクかロウのどちからの体力を半分以下にしないと『亡霊解放』は使えないのだ。
―とにかく、ザースを失ってでもどちらかの体力を消耗させないと…。どちらを選ぶ?
シンクは大剣を使っており、その破壊力は今まで見た中でも凄まじい。
ロウを狙うにしても鍔迫り合いに陥ったら、横殴りをされてタダでは済まないだろう。
ロウは初め槍を持っていたが、あれは変形可能で変幻自在の攻撃を行ってくる。
シンクを狙うのならば鍔迫り合いは必須なのでロウの注意を引く”何か”が必要となってくるだろう。
どちらを狙うにしても、その片方の注意を逸らさないと”肉を裂いて骨を断ち切る”という現状になってしまうのは予想が簡単だ。
―どちらが簡単かと言われれば…シンクかな。あいつの懐に入り込めれば…!!
ソウヤは結果的にシンクを選ぶことにして…長らく続いていた静寂を断ち切るために動き始める。
「はぁっ!!」
ソウヤはシンクに向かいレジドを振り下ろす。
それに対して大剣を横に持ち掲げることでその攻撃をシンクは防いで見せた。
その間にシンクの後ろからロウが姿を現し、槍となった武器でソウヤを突かんとする。
「グッ…!!」
ソウヤは短く苦痛の声を上げながら地面に着いていた足を浮かせて前転する形でシンクをマット替わりにすると、後ろ側に回り込む。
目の前にソウヤが現れたことでロウは一瞬びっくりするが、すぐに立て直し剣と化した武器でソウヤを攻撃する。
ソウヤはその攻撃をザースにより防ぐと地面に刺し、レジドを両手に持ち替えてシンクに向かい振り上げた。
「ちぃっ!
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