第2章
2節―運命が許さない旅―
本隊攻撃
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持ち上げた。
「分かった…」
ソウヤはそれだけ言うとしばらくの間、顔を伏せる。
そして、伏せていた顔を静かに持ち上げると怒ったような顔つきで軍隊を睨む。
「そこまで俺たちを殺したいなら――俺がお前らを潰してやる、”本気”だ!!」
初めは小さく呟くような言葉だったが、だんだんと声が大きく、怒りを含み始め、最後の言葉が少し離れた軍勢に聞こえるような叫び声を発した。
「オールチェンジ」
ソウヤはそう小さく呟いた。
すると、すさまじく眩しい光をソウヤが包み、そこから現れたのは見たことのない装備で身を包んだソウヤだった。
それを第三者が見れば初めに見れば思う事が、「グロイ」だろう。
上半身は漆黒の長そでに、同じく漆黒のジャンバーのようなものを羽織っていた。
下半身は漆黒の長ズボンとふくらはぎの少し下ら辺から履いている闇を思わせる黒いブーツ。
それだけでは死神をも思わせるただ黒いだけの服は、その一色だけ入れただけそのすべてを変わらせていた。
血液のようにどす黒い赤が血管のように服全てに張り巡らせており、所々血が付いたように真っ赤に染められている部分がある。
そして決め所はソウヤのどす黒い赤に染まった瞳だった。
ソウヤと同じトリッパーが居たのなら必ず「うわ、厨二病臭!」というに違いないその恰好は、恥ずかしいのに釣り合わないほどに強力なのだ。
「右手、左手両方あるな」
ソウヤの右手には漆黒の剣であり、ソウヤの対決戦用兵器『魔魂剣』の長剣版が握られている。
左手には一回も使う事がなかった巨盾の普通の盾バージョンとなった『ザース』。
そしてそれをソウヤは掲げると、空間魔法を唱える。
その瞬間、ソウヤに握られていたのは巨剣になった『魔魂剣』と巨盾になった『絶対盾』だった。
「初めてだな、俺自身が”本気”を出すのは」
ソウヤはそういうと、静かに深呼吸を行う。
そうすると、一気にソウヤを取り巻く空気がかわった。
今までの”熟練の冒険者”という空気が、一気にまるで”初期のソウヤ”の空気に一転したのだ。
ソウヤは今までほとんど出さなかった明るい笑顔を、身体から汗を出しながら軍団に向ける。
「さぁ、始めよう。第二回戦、”殺戮”の始まりだっ!!」
一気に笑顔が獰猛になり、ソウヤは巨大な剣と巨大な盾と共に軍団に飛び出した。
そして、その5000あった軍団がたった”15分”で壊滅状態になったことを、ソウヤ以外知るものはいなかった…。
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