第2章
2節―運命が許さない旅―
本隊攻撃
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化身と化した魔族を眺め、ソウヤは少しだけだが驚嘆した。
「『炎の化身』を覚えているのか。未だ俺たちでも中段の下級でも凄いレベルだというのに」
βテストの時では中段魔法の上級を覚えられたのは2人だけで、それぞれ1つの属性にだけすべてをかけたものだけだった。
未だに1年も経っていない状況で、中段魔法を覚えているのは高レベルを死ぬのを前提で努力した奴だけではないだろうか。
ソウヤはまさにその状況だったのだが。
ソウヤは3?ほどにもなりそうな炎の化身を眺めた後、ソウヤは再び黒鏡破を巨刀に戻した。
それは本気を出すぞという合図でもあったのだ。
「そんなにでかい図体してるなら、巨刀を使ってもいいだろう?」
それだけ言うと、今までとは格段に早い―細かく言うと10倍差―速度で魔族に向かうと上段から振るう。
それをギリギリ避けた炎の化身はその手に持つ炎の剣をソウヤに向かって振るった。
しかし、それを最小限の動きでソウヤは避けると言葉を発する。
「走れ雷光『雷瞬速《ライデン・ストル》』」
そういうと、瞬時にその姿をかき消したソウヤ。
炎の化身はそのソウヤの姿を探すが…瞬時のうちにその炎の化身は中にいる魔族ごと真っ二つに切裂かれた。
そこから生えたのは黒鏡破。
「ギャァァッ!!」
魔族はありえないという風に叫ぶと、その命を散らした。
ソウヤは崩れ去る魔族をしばらく見つめると、もう一度雑魚の掃討に向けて足を運んだ。
「…これで終わり、か」
ソウヤは先行部隊の魔物の墓と化した戦場を見ながら、そう呟く。
その先行部隊を倒すのにかかった時間はなんと5分程度で、あっという間に片付いていた。
「っと、本体のお出ましか」
ソウヤはそういうとチラチラと見え始めた大量の魔物の軍隊に目を向けた。
そこには今まで戦ってきたオークやエリートゴブリンなぞ雑魚がおらず、ソウヤには懐かしい魔物ばかりがそろっていた。
ライオンに翼が生えたやつ…つまり”スカイキメラ”とオークにしか見えない奴…つまり”ゴブリンエリート”。
『瞬死の森』では雑魚、今の普通のレベルだったら2パーティクラスの”ホワイス・ガブルルス”。
どれも『瞬死の森』ではお世話になった魔物達ばかりだった。
だからこそソウヤには理解できたのだ。
「…こんな軍隊、今の皆のレベルじゃ倒せるわけないだろ」
通常、あそこまでのレベルを倒すには少なくとも2年と半年はかかるはずなのだ。
ソウヤこそもう紙くず当然にバッサバッサ倒せるが、ソウヤ以外の奴らが相手に出来る相手ではない。
その訳が分からない行動にソウヤは思わず黒鏡破を持つ手の力を強める。
そして静かにその巨刀を真上へ
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