第2章
2節―運命が許さない旅―
右翼の戦い
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、分かったわ。私も本気で行くわよ」
レーヌもそういうと、地面に純魔樹の杖を叩きつけると今まで抜いてこなかった腰に刺さった剣を解き放つ。
レーヌが持つ剣、それは魔導剣とよばれる魔法使いが使う武器の1つだ。
魔導剣というのはいわゆる魔法の効果を増大させることだけに集中させた、杖となんら変わらないものである。
しかし、レーヌは聡明で頭がいい。
この魔導剣を利用する手はなかった。
「剣よ、その身に理性を…『独立剣』」
レーヌがそう言うとグリップ以外のすべてに散りばめられた宝石が、眩しくひかり剣がレーヌの手を離れる。
当然、この剣は幻であり、感触はするが痛みはない代物だ。
魔導剣はそのグリップ以外のすべてに宝石がちりばめられており、魔法を使うとその宝石すべてが発光を行い、独立して魔法を強化する。
そこでレーヌが考えたのが|幻夢(シュレオ)魔法を宝石が強化しその現実さを強めることだった。
その結果、この『独立剣』は殺傷能力はないが感触だけではなく”痛み”までも相手に与えることが可能となったのだ。
その剣が上級魔族の元へ向かい、攻撃を全て軽やかに避けると切り裂く。
「―――ッ!!」
その痛みに上級魔族は小さく叫ぶと、怒り狂ったように舞うように動く剣にだけ攻撃を集中させる。
その間にエレンは今までとは比較にならない速さで上級魔族に近づくと、天使剣を両手に持ち切り上げた。
案外容易く―と言っても対決戦用の魔法剣が…だが―上級魔族を切り裂くと、その怒りの矛先をエレンへと向ける。
そこに素早く『独立剣』が嘘のダメージを負わせ怒りの矛先を混乱させていく。
そのあまりに簡単に上級魔族が罠にはまっていくのをレーヌは見ながら、安堵したように溜息を吐いた。
「まさか、こんなに簡単にはまるなんてね…。これならいけるかも…!」
それをソウヤや他のトリッパーが聞いていたら「フラグだっ!」と叫ぶことだろう。
しかし、その”フラグ”の存在もレーヌは知らないしその恐るべき効力も知らない…。
だが、さすがフラグ先生というべきだろうか、レーヌが建てたフラグをまさに成し遂げることとなる。
レーヌ達にとっては堪ったものではないが。
「ガァ―――――ッ!!」
超音波とも呼べるような高い声を上級魔族は叫ぶと、一気に上級魔族の魔力があふれかえる。
それを感じ取ったレーヌは、咄嗟に『独立剣』でエレンを守った。
「なっ!?」
その次の瞬間、『独立剣』がいつの間にか目の前に現れていた拳により砕け散っていた。
それを見たエレンは未だに残っていた剣のカケラを足場として地面に直行する。
エレンは地面に着陸すると、地面を削るのを感
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