第2章
2節―運命が許さない旅―
左翼の戦い
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力にルリは小さくうめき声を漏らした。
その攻撃でも接近することを止めないルリは、左に持つ『|音速白銀(サイレント・ミニット)』に自分にできる風を纏わせて上級魔族の鱗に攻撃した。
しかし、その攻撃は鱗に当たった瞬間に…跳ね返される。
「なっ…!?」
ルリがその強固すぎる防御力に驚いたその次の瞬間、戻っていた拳によりルリは吹っ飛ばされた。
それを見たナミルは拳の強さに顔を歪めながらも、声を張り上げる。
「大丈夫かっ!?ルリ…!」
「は…い!大丈夫、です!!」
地面にぶつかる寸前にルリは自分に風をぶつけることで勢いを殺したおかげで、怪我は負ったが戦闘が出来なくなるまでではなかった。
これがこの上級魔族ではなかったらとっくにルリは腹の骨を粉砕されていただろう。
この上級魔族はさきほどのように強固な鱗に纏われていて、防御型の上級魔族と言える。
このような防御型の魔族は防御力があり得ぬほど高い代わりに、反面攻撃力が普通の魔族に比べ低い。
一重にルリが戦闘が続けられるのも運が良かったからだ。
「…チッ!」
ナミルはもう攻撃に耐えられない事を悟ると、『気波』を止めると同時に大きくバックステップして後ろに下がった。
上級魔族は通常、レイド…つまり約64人体制でしっかりと前準備を行いやっとのことで倒せる相手だ。
たとえそれが攻撃力が低いとはいえ数人がかりで防御するその攻撃を、1人で耐えられるわけもなかった。
否、この十数秒耐えられたナミルははち切れん限りの拍手をするに等しい事を行ったのだ。
まぁ、ソウヤなぞただの論外だが。
ナミルとルリは体制を立て直すと、話を始める。
「どうしますか?あそこまで固いのはさすがに予想できませんでしたが」
「次は俺がやってみる、注意を引けるか?」
「出来ないとは言えませんねっ!」
それだけ言うとルリは、2本の剣のうち『音速白銀』を仕舞うと『黄金固地』を両手で構えた。
そして左足を大きく前に出すと半身になり、『黄金固地』を前に突き出す。
「では頼む」
「はい、任しておいてください」
ルリはそういうと1つ深く深呼吸を行ってから…背中に溜めておいた風を爆発させると一気に上級魔族へ近づいた。
上級魔族はルリに対して右足を大きく振り上げ、踵落としを行う。
ルリはその攻撃に対して、瞬時に風を左方向に溜めると爆発させてその推進力で避けるとさらに近づく。
「いくらなんでも速すぎだろ…。……さて、どうするかな」
ナミルはルリのソウヤの2/3ほどの速度が出ていることに本当に賞賛すると…上級魔族を倒す方法を思い浮かべた。
一応、ナミルにはこの上級魔族を倒す術は無い事は無い。
しかし、この方法を取っ
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