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グランドソード〜巨剣使いの青年〜
第2章
2節―運命が許さない旅―
戦闘開始
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けた笑みを浮かべると…その手を振りかざす。
 魔物達に、『仙術』を使うナミルに勝つ術なぞ残っていなく、次々とその命を散らした。

 ソウヤを中心として、残虐ともいえる一方的な戦いが続き、あと10分もすれば魔物達は全滅すると思われた。
 ――あの存在が現れるまでは。




 エレン達が戦い始めて少し経ち、その魔物の数は一方的に減る限りを知らない。
 今ではその数は200を軽く下ってしまっていた。

「後、少しだな…」

 エレンは自分の周りを囲む魔物達が少なくなっていることに気付き、静かにそう呟く。
 そうしてエレンは血を振り払い、再び剣を構えなおすと飛び出し――何か横から凄まじい衝撃を受けて横に吹っ飛んだ。

「――――がっ!?」

 地面に身体全体が滑り込み、止まったところでエレンはいきなり脳に痛みが伝わり小さく声を出す。
 ここで叫ばなかったのは一重に叫んでしまえば必ず自分は恐怖してしまう事が分かっていたからだった。
 そう、エレンが倒れている少し先に存在している巨大な者に対して。

「くっ…!」

 その巨大な存在に気付いたレーヌは、その顔を絶望に染める。
 そしてその巨大な存在は大きくその口を開けると――

「――ッガアアアアアアァァァァ!!!!」

 大きく咆哮をした。
 その巨大な存在に、レーヌは自分自身が恐怖にむしばれるのを理解しながら呆然とつぶやいた。

「………上級……魔族…?」

 巨大な存在…否、犬のような姿をした上級魔族は咆哮し終えたあと、エレンとレーヌを見ると残虐な笑みを浮かべ、言葉を発した。

「オマエラ…強ソウダナ。喰イタイ…ナ」

 ソウヤもいない、人数も2人だけ…。
 そんな絶望的な状況な中、エレンとレーヌの今まで体験したことのない壮絶な戦いが幕を切る。

 ――そしてそれはルリとナミルにも同じことが起こっていた。

「…よりによって、こんな時になんで上級魔族が…っ!」

 ナミルはその顔を醜悪に染めながら悪態を付くと、その大剣を大きく振るい周りの魔物を絶命させる。
 ルリもさすがにあのまま前に出ているのは危ないと思ったのかナミルの元へ戻っていた。

「…どうする?ルリ、退くか?」
「ナミルさん。ソウヤさんはこんな強大な敵にも一人で戦い、勝ってきました。私たちはソウヤさんに比べたらとても弱いです…。ですが、二人掛かりで上級魔族でも倒せないと――ソウヤさんの足手まといになります」
「……はは、確かにそうだな」

 ルリのそのありえない…だがその正論にナミルは思わず乾いた笑みを浮かべる。
 そして――その乾いた笑みを一瞬でこれ以上ないくらいの真剣な表情に変えると…小さく呟いた。

「…ぶっ倒す。相手が上級だろうが、将
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