第2章
2節―運命が許さない旅―
1週間の休息
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まま心の中にずっと言い続けてきた言葉をついに口にした。
「…最近気絶からの起きるの多すぎだろ……」
まさにソウヤの言うその通りである。
それから結局ソウヤが普通に起き上がれるようになったのは1時間ほど経った後で、2階の部屋から1階に下りた。
ソウヤが降りてくるのを助かったことで今の今まで祝していた村人は見ると、まだ明朝だというのに一気に騒ぎ出す。
といっても村人からして見れば命を賭して村を救った恩人なのだから、その反応も仕方ない事なのだろうが。
そうやって村人にソウヤが囲まれているところに、ちょうど買い物の途中だったのだろうか、荷物を持ったナミルを含んだ女子群がソウヤを見つけた。
「ソウヤさん!」
「「「ソウヤ!」」」
女子群はソウヤはを見つけるとすぐさま村人たちを押しのけて、ソウヤの目の前で立ち止まる。
その目には安堵と心配の色を含んでいることに気が付いたソウヤは、なんとか心配させまいと言葉を口にした。
…それが地雷とは知らぬまま。
「だ、大丈夫だ。俺はまず死ぬことはないからな」
「アホかっ!」
ソウヤがそういうと、エレンは拳をその頭にたたきつぶす。
ゴンッ!という容赦なしのその鉄拳にまだ完全に調子が戻ったわけではないソウヤは、その場に悶える。
そして、多少睨むような形でエレンを見ようとソウヤは顔をあげるが…エレンが涙目になっているのを見て、一気に硬直した。
「は?い、いやいや、何でお前が泣く…?」
「この…バカ。心配をかけさせるな……っ」
その言葉を聞いて俺は納得した、つまりエレンたちは心配をしていたのだ、心の底から。
いつもの状態のソウヤならば心配なぞしなくとも大丈夫だろう…そういう死線を越えてきたのだから。
しかし、今回の状態のソウヤは本当に危ない状態だった。
希少能力が使えない状態で、巨剣使いすら使えない状態となっている。
その状態でいつも通りに死線を越えようとしていたのだから、それはさすがに心配しなければおかしい。
それすらソウヤは失念していた。
だからこそ、ソウヤは頭を下げる。
「すまない、心配させて。次は今まで以上にお前たちに頼ることにする」
「……ソウヤ、お前は私たちに頼らなすぎたんだ」
エレンはそういうとその場から数歩下がる。
ソウヤは未だにしゃがんだまま、しばらく経つと静かに立ち上がりその握りしめた拳で自分の頬を全力で殴った。
周りの人々が息を呑み、静かにソウヤを見つめ続ける。
そして、ソウヤはエレンたちをいつも通りの…いや、何かを覚悟したような表情で見つめた。
「これから、俺の呪いが解除され次第ここを出発する。準備をしておけ」
「…もう、大丈夫なんですよね?」
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